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SFマンガ傑作選

70年代の傑作SFマンガ。

ほぼまあ、コレ知ってるよね的な作品です。で、どれも好きです。はじめて読むのは、筒井 康隆のと佐々木 淳子の作品ぐらいかな。佐々木 淳子は、ものすごく気になっていたけれど、ずっと読んでなかったマンガ家さんです。
まあ、あの時代の少女マンガは、特に凄いですよねぇ。もちろん、入っていない名作もいっぱいあるけれど。
好きなやつが1冊にまとまっているというだけでも、価値ありかな。

山田 ミネコの「冬の円盤」が入っているのが、ものすごいチョイスだなぁと。萩尾 望都の「あそび玉」にしても、竹宮 惠子の「ジルベスターの星から」にしても、最高傑作というよりも、原点な感じの作品が選ばれているのがわかります。
この選び方も、一貫していて納得感があります。古典感がでている。

筒井 康隆のマンガとかは、もっと他の入れる余地があっただろうと思ったりもしますが……。

福井 健太,
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東京創元社
発売日 : 2021-11-29

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樹魔・伝説

実は、「イティハーサ」以外の水樹 和佳子の作品って、読んだことないのが判明しました。

あぁ、SFだ。それも、なんというか、懐かしい雰囲気がするのは、やっぱり20年前の作品だからということもあるのだと思います。

星新一、光瀬龍、平井和正、眉村卓と、この時代に影響を与えたSF作家は何人もいるのですが、少女マンガ系でSFをかいていた人は、みんな光瀬龍が好きだったんだなぁと思います。

植物に対する思いとかは、どこか、内田善美を思い出させて、その時代の空気みたいなものを感じさせられます。

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イティハーサ7

文庫版「イティハーサ」最終巻です。

黄実花という存在は、お話のなかのアクセントぐらいに思っていたのですが、どうやら、そうではない様です。

那智も、アオヒコも、確かに、黄実花の話をすごく重要視しているんですね。

今回、気がついたのですが、アオヒコと桂のラストシーン。あのとき、セリフに書かれていない言葉。
あのときに、なんて言うべきなのかを教えているのが、黄実花なんです。

そういえば、アオヒコにしろ、一狼太にしろ、トオコにしろ、鷹野にしろ、「救い」を求めているキャラクターのなかで、黄実花は、あんまりその部分に必要を感じていないんですよね。(まあ、キョウジも、あんまり救いの必要を感じていないかも…)
そういう意味では、とても自然体で、ニュートラルなキャラクターとして、設定されているのかもしれません。
そういえば、亜神、威神(そして、目に見えぬ神々)の間で揺れ動くキャラクターたちのなかで、黄実花のみが、どの神にも属していないのでは?

「この物語は、ファンタジーではなくて、SFとして完結しなければならない」

みたいなことを確か水樹和佳子がインタビューで言っていたのを見た気がします。
そのときは、そのSFの意味、こだわりがわからなかったのですが、人の心の動きという物語のなかに、もう1つ、大きな物語があるんだよという意味だったのかなぁ…というか、これは、水樹版「百億の昼と千億の夜」だとい宣言だったのかなぁと思います。

うーむ。
1つの物語が終わった。感慨深いものがありますね。

ところで、わたしの持っている本ですが、初版で、誤植があります。
それも、1番最初の口絵のページに(笑)

「第4部 目に見え神々」

………。
見えるんかい!!

新しい版は、修正されているようでした。

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イティハーサ6

昔、読んだときは、単純な物語しか理解していなくて、鷹野の桂に対する思いとかは、全然理解していなかったなぁと思います。
弟ではなくて、並んで立つ者になりたかったんだとやっと気づきました。
そして、その想いの元は、ずっと前に見た桂の後ろ姿からきていて、本当に、シーンに1つも無駄がないマンガだったのだと思い知らされます。

そういえば、なんで、こんなに執着しあいながら、最後に結ばれるのが、鷹野とトウコではなくて、ヤチオウとトウコであったりするのかがとかいうのは、やっぱり、ずっと理解できなくて、理解できなかった故に、ずっと、心の中にトゲとして刺さっていたのでした。

今回、読み返してみて、「イティハーサ」は、水樹版「百億の昼と千億の夜」なんだなぁと、そういう読み方をしてはじめて、スーッと理解が通ったところがたくさんあります。

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イティハーサ5

好きなシーンがいくつかあって、青比古が、

「お…おれは、時々 キョウジになりたくなる」

というシーン。
それから、香夜がタカヤに、

「おれはもう殺したくない…」

とタカヤが心に思っていたことをかわりに言うシーンですね。