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クジラの子らは砂上に歌う23

完結です。
圧倒的なエンドです。そして、魂形を完全に悪であるとせずに、人間に寄り添うものとして最後までえがききったのは、本当にこの作者のすごい物語の構成力です。

エピローグで語られているリコスのその後、チャクロのその後は、なんというか、あぁ、リアルな物語だなぁとわたしは感じました。
それは、人それぞれ、感じ方は違うかもしれませんが。

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クジラの子らは砂上に歌う22

ラスト、1巻かな。
最終決戦ということで、全部が巻き込まれていく。

いつも同じことを言っているよ、何回やっても同じだよという絶望は、記憶を残している方にしかわからないことで、忘れてしまう、愚かであるというのは、もしかしたら救いであるのかもしれない。
そしてまた、自分だけが否定されて、みんなが忘れてしまうのだとすれば、絶望感は深い。

より良いものを求めるために、いったいどうしらいいのだろう。

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クジラの子らは砂上に歌う21

「キミがそう望むならば」

そんな簡単なものではない。なんどもなんども、そう願っては裏切られたキミの姿を見てきたからこそのあきらめ。
人間じゃないといいながら、その諦観も、人間らしい感情のような気もします。

何度でもやりなおしが効くのならば、なんどひどい目にあっても、やりなおし続ければいいのか。
それとも、1度壊してもう1度作り直せばいいのか。
その差はどこにあるのか。
それすら、もうわからなくなってきた。

見える事は、「今」と「ここ」だけ。

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クジラの子らは砂上に歌う20

これでほぼ、秘密が出そろった感じになりました。
あとは、この世界に生きている人たちが、どんな選択をするのかということにかかっている。

それは物語の中の選択ではあるのですが、多分、現実のぼくたちの選択と繋がっている。

繋がっているといいなぁと、物語読みは思います。

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クジラの子らは砂上に歌う19

皇帝と主人公が、出会います。
時代的な違いではなくて、やっぱり別人だったのですね。でも、なんか、繋がりはありそう。

みんな、世界を作り直すの好きだなぁ(笑)
ロハリトの悩みも、ものすごく良くわかる。そういう細かい心の動きと、大きな物語が連動しているところが凄くうまい。