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幸田文 ちくま日本文学全集51

けっこう色っぽい話が多くて、なぜか、「岡本かの子」だとばかり思って読んでました。思わせぶりな感じって、今ではものすごくわかりにくいんだけれど、この当時はどんな感じで受けとられていたんだろうとか、いつも、この手の文学を読むと、考えてしまいます。
その時代の空気を伝えてくれるものでもあるし、その時代の空気がわからなければ理解できないものでもある。

あんまり、勉強したくない昔(今もか)は、時代の空気なんて考えずに、今の自分の読み方をすればそれでいいんだと思ってはいたけれど、それだけでは、消えてしまうものもあって、もったいなくも感じています。

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古事記 池上夏樹=個人編集 日本文学全集1

「古事記」。
物語になっているところは、部分的に読んだことはありますが、まあ、系図というか名前の羅列の部分とかは、どうなのよという感じでした。

まあ、今回も、Kindleでアレクサに読んでもらってなかったら、挫折したかも。その分、名前とか、漢字の読みがデタラメで何言っているのかわかんないところや、雰囲気ぶち壊しなところも多いのですが。

で、今回、通して読んで(聞いて)みて、物語の部分と関係ないと思っていた名前の羅列も、けっこう、本編に出てきた人のことが書いてあるんだなぁと、当たり前といえば当たり前なんですが、地続きなものなんだなあと理解することができました。

感情の入ったセリフが、全部、歌なところも、おもしろいなぁと。
それはやっぱり、口承文学なので、覚えやすいような節回しになっているだと思います。それと同時に、感情が高ぶっているというのが、ものすごく伝わる気がする。

あとは、神武天皇の后の名前が、おおらかすぎて笑います。ほら本人嫌がるわ。まあ、豊穣とかそんな感じの意味なんでしょうけどねぇ。

池澤夏樹個人編集のこの「日本古典全集」は、けっこう気になっていたので、読み出せて嬉しいです。

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白井喬二 ちくま日本文学全集50

1巻全部、「富士に立つ影」。しかも、途中省略版。
これも、前巻の「島崎藤村」と同じく挫折かなぁと思って読み出したのですが、いやいや、けっこう面白かったです。

なんか、何代にもわたる因果が、いろいろ絡んでいる様子や、登場人物が、スッキリ、クッキリと浮かび上がっているところがいいなぁと思います。

なんというか、リアルな人間を書くとかいうと、どいつもこいつも、ぼやけちゃってということはあるかなぁと思います。複雑な人物をかこうとして、結局、よくわからない人物になってしまう。でも、これ話はそうではなくて、人が明快です。

あとがき読んだら、デタラメって書いてあった。いいんだよ、デタラメでもおもしろければ。そして、なんとなく信じられれば。物語なんだから。

これが本来の「ちくま日本文学全集」の最終巻の予定でした。でも、好評だから、10巻伸びたようです。
読み始めて、25年かぁ。あと10年ぐらいしたら、全部読めるかな。

そうすると、次に読みたいのは、河出書房新社から出ている「日本文学全集」なんだなぁ。いつまでたっても、時代に追いつかない(笑)

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島崎藤村 ちくま日本文学全集49

延々と、1冊すべて「夜明け前」の第2部。
すいません。「上巻」まではなんとか読み終えましたが、苦しくて、苦しくて、「下巻」の途中で挫折しました。

藤村なら、もっと別の適当な長さのおもしろい小説や、文章があったと思うのですが、コレかぁ。
しかも、第2部。
第1部から読めば、もっと面白いのかなぁ。

うーん、まあ、近代文学を代表する作品かもしれないけれど、あんまりおもしろくないです。
なんかねぇ、歴史の動きと登場人物のドラマが、繋がっているのに、ものすごくモヤッとしている感じがする。もしかすると、そこが凄いのかもしれませんが、うーん、藤村の頭がいいのはわかった気がします。

海音寺潮五郎,読書ちくま日本文学全集,文学,日本文学,海音寺 潮五郎,海音寺潮五郎,筑摩書房,

海音寺潮五郎 ちくま日本文学全集48

おもしろくないことはないのだが……古い感じはいなめないなぁ。

ちょっと、マッチョというか体育会系のノリがあって、そこは、さわやかな感じではあるのですが、そこが、古い感じでもあります。

基本、男尊女卑。