手塚治虫恐怖短編集5 妖しの怪談編
こうやって、並べて読んでみても、「どろろ」のおもしろさというのは、別格。
本当に、なんで途中で終わっちゃったんだろうと思います。
こうやって、並べて読んでみても、「どろろ」のおもしろさというのは、別格。
本当に、なんで途中で終わっちゃったんだろうと思います。
なにが怖いって、表紙の、ちょっといっちゃってる目のアトムが、1番怖いです。
今までの作品集に比べたら、これは、1番まともな感じです。まあ多少、ネタはわれているところはあるのですが……。古典なので、ネタはわれているのではなくて、この人が、このネタをはじめたというのもあるのかもしれません。
そのまんま、世界が消滅するお話が何編か。
まあ、今回は、ショート・ショートとしては、悪くないオチの話が多いです。今となっては、ネタがわれている感じもありますが。
やっぱり、「恐怖」は、ないけれど。
「恐怖短編集」なのですが、あんまりこわくないというか……。
まあ、手塚 治虫が選んだわけではないと思うので、この本の編者の思っている「恐怖」と、わたしの感じる「恐怖」とでは、かなりかけはなれているんだろうなぁと感じました。
このオチ、どうよ。まとまらんかったんかい。
という作品が、しょっぱなから……。
手塚 治虫が、恐怖を思ってかいたのなら、失敗している気がします。
一定レベルのおもしろさはあるけれど、一定以上を越えていくのは少ないですよねぇ。古典ということか。
「ガラスの脳」とかは、けっこう好きですが、「ボンバ!」のオチとかは、どうかと思ってしまう。大人向けにもしきれていないし、子どもが読んでおもしろいと思わんだろう……。
そういう時代だったのかなぁ。時代の限界というのは、やっぱりあるのだと思います。