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未完の肖像 クリスティー文庫77

クリスティーのウェストマコット名義の愛の小説第2弾。
ということで、今回、謎解きはなしです。

前回の「愛の旋律」は、派手派手な展開でしたが、今回は、主人公が地味な性格なので、展開もちょっと地味な感じです。もうちょっと、派手な展開の方が、わたし的には好みです。
でも、これも主人公の子ども時代から丁寧に書いています。なんで、こういう人に育ったのかが、よくわかる感じ。

母親がなくなって、夫に裏切られて、精神をだんだん病んでいくという展開は、まさに、クリスティーの半生そのものですな。
まあ、クリスティーがこの小説の主人公ほど弱かったとは思えないけれど。でも、人にはいろいろな面があって、そのうちの1つをクローズアップしてみていく感じ。
そのクローズアップの仕方というのは、とても巧いです。だから、シーリアにも共感できる部分はあるし、ダーモットにも共感できる部分がある。
語り手の画家は、その両方を理解できる読者的な位置にいて、これも、なかなか巧みだなぁと感じました。

グラニーが、衰えていくところとか、こわいぐらいにリアルです。そういう細かいリアルさと、ロマンチックな飛躍が、クリスティーの小説、ミステリーなしでも読める魅力です。
というか、もともと、ミステリーをそんなに読めないわたしでも、楽しめるところです。

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愛の旋律 クリスティー文庫75

「愛の旋律」……訳名つけた人、出てこい!!といいたくなりそうな題名ですね。
ミステリーじゃないクリスティーです。もともと、アガサ・クリスティー名義ではなくて、メアリ・ウェストマコット名義で書いた作品だそうです。

展開は、ベタベタです。
2人の女性の間で揺れ動く、天才音楽家……みたいな。それを幼なじみたちを交えて、少年時代から書いていく。そしてもちろん(笑)、記憶喪失もあります。

もう、ここまでやるかというぐらいベタな展開なのですが、「マリンブルーの風に抱かれて」の時にも書いたのですが、クリスティーや、矢沢 あいみたいな、話作りがうまい人がやると、すごい迫力になります。

若干、迫力過多な気もするぐらいです。
でも、650ページ弱、一気に読ませる小説です。

クリスティー文庫、表紙いいよな。うまいよな。……内容とは、あんまり関係なかったりするけれど。

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マリンブルーの風に抱かれて1

「ご近所物語」より前の矢沢 あいです。

といいつつ、矢沢 あいは、「NANA-ナナ-」しかしらないので、いつからあのポップな絵になったのか、どこかに区切りがあるのかはしらないのです。

「NANA-ナナ-」がよかったので、他の作品も読んでみようということで、文庫に手をだしています。

このころの矢沢 あいは、ものすごい正統派の少女マンガですねぇ。そして、無駄にドラマチックだ(笑)
これは、平行して読んでいたアガサ・クリスティーの「愛の旋律」でも、感じたことです。

でも、クリスティーとか、矢沢 あいとか、うまい人が、正統派かくと、迫力あって、グイグイ読ませます。

基本的に、人間関係ドロドロが、好きみたいですね。矢沢 あいも。