宇宙兄弟35
シャロン月面天文台完成。
ある意味、この物語の1つのマイルストーンだった。
うーん、帰還したら物語も終わってしまいそうだなぁ。
でも、続いても、終わっても、宇宙兄弟たちの毎日の生活は、続いていくんだよなぁ、と感じられるぐらいにはこのお話ってわたしにとってはリアルです。
この人の文体って、こんなだったろうか?
まあ、そんなに覚えているわけではないけど、もっと、ピシッと言い切った文体だった気がします。でも、このお話では、グネグネとした文章が続いているような気がします。そして、それが決して不快ではないありません。
多分、世界というのは、こんな風にグネグネしていて見えにくいものなのだと思います。
それがわかるまでに、ものすごく時間がかかった。
もちろん、この物語も今までのゲド戦記と同じくテーマになるワンアイデアがあって、それは、けっこう読者に見えています。でも、今までの「ゲド戦記」と違うところがあるとすれば、多分、
「本当に大切なのは『そこ』ではないかもしれない」
ということなのかもしれません。
力を失って、達観することができないゲドの姿は、クリンの魔法使い達の姿と重なったりもしますが、多分、作者は「ドラゴンランス」よりも、もっと厳しいことを「ゲド戦記」の世界の登場人物達に課している。
そう感じます。