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真昼の月 海街diary2

微妙なすれ違いとか、行き違いとか、恋愛でもあるんだけれど、別に恋愛でなくてもあるそういう感情とか、関係とかをかかせたら、天下一品ですね。

それをかくためには、微妙な表情のかき分けとかが出来ないといけないのです。
「櫻の園」の頃の吉田 秋生は、まだ、その微妙な表情をかくのをさけていた気がするのですが1、このお話の中では、すごくはっきりとかいています。

ものすごく大きくてはっきりとした事件はないのだけれど、普段、人間って、たしかにこんな風に揺れ動いているんだよなあと思わせる物語です。

真昼の月をみんな知らないって、ビックリしました。
小学校ぐらいかなぁ、はじめて見たのは。

  1. でも、「吉祥天女」をかいたころには、もう、そういう顔はかけるようになっていたはずですね。 []

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イヴの眠り2

吉田秋生は、昔は、すごく絵柄の安定しない人で、絵はすごい上手なのですが、キャラクターが、キツネみたいな絵になったり、大友克洋みたいな絵になったりしていました。

でも、「BANANA FISH」の後半あたりから、すごく安定した絵を描くようになってそのあたりから、物語のおもしろさも、一段と増してきた気がします。1

「イヴの眠り」では、有末静の娘アリサ、そして、クローン死鬼、などがでてきているのですが、同じ顔をしながらも、しっかりと描きわけができているところがスゴイですね。
しかも、アリサは、母親であるルー・メイにも、ちゃんと似ている。

おんなじ顔の描きわけをしたマンガは、わたしが知る限りあと、成田美名子の「CIPHER」ぐらいだと思います。2

  1. もっとも、それにともなって、「河よりも長くゆるやかに」のような作品は、描かなくなったのでなくて、描けなくなったのではないかという気もして、少しさびしいですが []
  2. 余談ですが、「CIPHER」は、1巻とかでも後から読むと、どちらがロイで、どちらがジェィクかがわかるようになっています []

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イヴの眠り1

「吉祥天女」の女主人公は、スゴイやつと思われていたけど、実はけっこう受け身な人でした。

同じスゴイ女ではあるけど、アリサとか、ルー・メイは、積極的に動いていくタイプです。
吉田秋生は、まだこのタイプの女の子を主人公にしたことはなかったと思うので、けっこう期待しています。

というか、今までは作品同士に緩やかなつながりはあったんですが、「YASHA」から「イヴの眠り」のように直接的に大きなつながりがあるのも、はじめてですね。

そして、期待違わず、すごいオモシロいです。

聖地に絶対入らない島の男の子というエピソードも、ほのぼのしていて好きです。