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光圀伝 下

ひたすら、愛する者、大切な者を送る人生だったなぁと。
あぁでも、最後は、大事な人のひざの上で逝ったんだから、それはそれで、良い人生だったかな。

そして、未来が見えているような登場人物たち。もちろん、作者には見えているんだけれど、そういう思いをもったものたちが種として育ったからこそ、その未来が来たとも言えるのかも。

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光圀伝 上

「墓碑銘は青春」。
これは、木原 敏江の名作「天まであがれ!」の言葉なのですが、どうしても、ここで使いたかったのです。

だれの墓碑銘にも、きっと「青春」と書かれている。

こんなに、青春なお話だとは思っていませんでした。
でも、熱量いっぱいに悩む光圀のそばに、いろんな人が集まってきて、それぞれの夢を託したりする様は、まさに、青春そのものです。それを冲方 丁が、また、見てきたように書くんですよ。面白くないわけがないという。

林羅山とか林家なんて、ものすごく悪い印象しかなかったのですが、林読耕斎なんて、一気に好きになってしまいました。
で、この物語の中で貫かれているのは、「歴史の中に生きていた人間」は、すべて「生きていた」のだ。そのことを伝えたいという思いなのです。

多分それは、冲方 丁のなかでは、「歴史」ではなくて、「物語」として置き換えてどっしりあるのではないかと思います。「物語の中に生きている人間は、すべて生きているのだ!」と。
だから、生き生きしている。そんな気がします。