だれも知らない小さな国 コロボックル物語1
確かに、時代を感じる作品です。
「戦争中」なんて記述はあるし、コロボックルたちの住処も今よりは見つけにくいんだろうなぁと思います。
でも、不思議なことに古くささは感じさせられない作品です。
「コロボックル物語」を読んだのは、今回がはじめてです。
コロボックルのイメージといえば、昔懐かしいアニメの「冒険コロボックル」を見たぐらい。
たしか、アレに出ていた男の子が「せいたかくん」でした。
パラパラと斜め読みしてみたことはあったようで、この本の主人公も、「せいたかさん」なんて呼ばれているので、あのアニメの原作なのだと思っていました。
が、全然、違いますねぇ。
主人公は、子どもじゃないんです。
正確には、子ども時代からはじまるのですが、コロボックルたちと本格的に出会うのは、大人になってから。
なんというか、ファンタジーなんだけど、児童文学ではない感じ。子ども向けって感じが全然しない物語です。
物語のなかで流れる時間の長さにしても、語られていることにしても、なんというか、充分本物のなんですね。
なかでも、すごいと思ったのは、コロボックルは、早口でしゃべるところ。大きさの違いが、時間のスケールの違いだというところです。
これは、なんとも、リアルではないですか!
車の名前に「コロボックル」というのも、すごく粋な名前だと思います。
うーん、読み継がれていってほしい名作です。