ドラゴンランス セカンドジェネレーション 上
「ドラゴンランス」の子どもたちの物語です。
むかしは、こういう続編って、
「やっぱり、前作にくらべると……」
という感想をもちがちでした。
でも、最近は、
「そういう続編も悪くないなぁ」
と思っています。
源氏物語も、源氏が死んでからは面白くないとか思っていましたが、最近は、薫とか匂宮の話も好きなのです。
これは、年のせいかもしれません。
ということで、「ドラゴンランス セカンドジェネレーション」です。
これは、長編ではなくて、中短編集という感じですね。
「ドラゴンランス」、「ドラゴンランス伝説」とか、けっこう「英雄」の物語だったのですが、こっちは、ちょっと軽い感じがして、冒険者の日常という感じがします。
きっと、タニスたちも、若い頃は、こんな冒険を……とか思ってしまいます。
キットの息子スティールは、めっちゃ魅力的です。
その善と悪への引き裂かれ方は、レイストリンを思わせます。
パリン。レイストリンにあこがれている彼にも、もちろん、その影を感じるのですが、本質的な部分で、スティールの方に、わたしはレイストを感じました。
きっと、みんな、そういう感じで、誰かに誰かの影をみているんでしょうね。
そういう、「長い恋」みたいな雰囲気が、なんとも2代目物語のよいところです。
どの話も大好きなのですが、「賭けるか?」の軽さは、すばらしかったです。
わたしは、ダウガンが誰かは、かなり早い時点でわかりましたが。
パラダインにしても、レオルクスにしても、本当に、この世界の神様たちは、魅力的です。
新しい物語。かなり期待通り…期待以上です。
これからはじまる大きな物語も、期待大ですねぇ。
マーガレット・ワイス,Margaret Weis
トレイシー・ヒックマン,Tracy Raye Hickman
安田 均
アスキー,エンターブレイン
発売日:2003-04-25