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ウィンターズ・テイル 上

「チャールズ・ディケンズの奇怪な登場人物、ガルシア・マルケスの魔術的リアリズムの手法、ジョン・アーウィングの悲喜劇性、トールキンの神話創造力」

なんて、紹介のされ方をしていますが、そのどれとも、とてもかけ離れた1つの才能だと思います。

でも、この才能は、若干、ムラがあるような気がします。
いや、わたしの方で、この才能を受け入れる下地が充分にないだけかも。

大人のファンタジーです。本当の意味で、「大人のための」というのは、実はあんまりないのかも。これは、多分、「本当の意味で大人のための」ものです。
大人でないと、理解不能。

こと恋愛に関するお話、運命の2人が出会ってからは、メチャクチャ面白いのです。でも、その前段が……辛い。この前段が、ものすごく大切で、出会ってから後の2人を方向付けていることもわかるのですが、それでも、辛いのです。

これは、ヒロインのベヴァリーが、輝いているだけに、余計に辛い気がします。

そして、お話は、いきなり未来にいくし。

なんか、面白そうになったところで、はぐらかされている感じがすごくします。

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シャナラの剣 下

シャナラの剣の秘密が、今、明らかに!

「シャナラ・トリロジー」と聞いていたので、てっきり、「指輪物語」と同じように、全6巻ぐらいのお話だとおもっていたのですが、シェイのシャナラの剣をめぐる物語は、これで、完璧に完結しています。

そして、この上下2巻のなかに、ギュッと、「指輪物語」のエッセンスが詰め込まれている感じです。

王位をめぐる兄弟の対立、魔力あるアイテムに魅入られた者、旅の仲間たちが別れてそれぞれの義務を果たしていくさま……。

多分、テリー・ブルックス自身が、メチャクチャ指輪物語を意識して、この物語を作ったのだと思います。
そして、ギュッと詰め込まれた分だけ、展開もはやく読みやすいです。

シャナラの剣の秘密も、単純なパワーアップアイテムに脱していなくて、これだけでも、わたしは感心しました。この人の本、続きを読む価値あると思いました。1

でも、軽さは浅さでもあります。
もうちょっと、掘り下げて書いていって欲しいと感じるところも、多々あります。特に、情念の部分は、けっこうあっさりしすぎな感じです。

だから、こここから入っていって、いつかは、トールキンと出会って欲しいなぁという気はします。
「デクトラ・クエスト」よりは、子どもたちにオススメしたい物語です。でも、子どもが読むには、軽さが足りないかなぁ。

微妙な位置づけの物語です。

シャナラの剣 下

テリー ブルックス


  1. まあきっと、誤魔化されたと怒る人もいると思いますが…。 []

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妖精国の騎士3

主人公が、ローゼリィという女の子であるということ(まあでも、そこらへんの女の子とはひと味違いますが)が、この物語を他のファンタジーから際だたせていると思います。

同じようにファンタジーとして完成された世界をもつ、トールキンの世界では、ロマンは、すごく遠景なのですが、この作品は、ファンタジーとして完成されながら、しっかりと少女マンガでもある。
その部分が、完結までずっとすすむことができた理由のような気がします。

運命に翻弄されるだけではなく、自分から立ち向かっていこうとする姫君。
そういうお話が、ちゃんとうけいれられているというのは、とても心強いことです。

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デルトラ・クエスト5 恐怖の山

「デルトラ・クエスト」は、魔法のアイテムをゲットして(取り戻して)強くなっていくお話です。
1巻に1つずつ魔法の宝石をゲットしていくというわかりやすさ。

これを読みながら、「あぁ、指輪物語というのは、希有な物語だなぁ」と改めて思います。
だって、「指輪物語」は、力のある指輪をいきなり捨てに行くお話ですから。

なかなか、そんな発想はできないよなぁ。いったい、トールキンは、どこからそんな発想を得たのだろう。
大人だって、今の世界をみれば、そういう発想が、なかなか出来ないことがよくわかります。

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指輪物語7 追補編

とうとう、「指輪物語」終了です。

けっこう、この最終巻は、くるしかっけど……。読み飛ばしたところも、多いですが……。年表には、興味がない人間なんですよ~。
トールキン。この人も、これをみると壮大なる「オタク」です。
年表に興味がないのは、実は、想像力がないからかもしれない……なんて思ってしまいました。

でも、ちょっと、彼らのその後なんかがわかって、嬉しかったかもしれない。