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聖書の起源

昔、家に聖書を売りに来た謎のクリスチャン(主に兄が対応)が、多くの時代、多くの人の手によって書かれた、これだけ膨大な書物なのに、聖書には、矛盾する記述がなにひとつない……とか、言っていたが、読んでみれば、矛盾だらけの書物です。
あれ、売りたいだけで、実は自分は真面目に読んじゃいなかったろう……。

あと、わたしが自分で対処した謎のクリスチャンも、キリスト教徒にならなければ、最後の審判で救われない的なことを言っていたけれど、それも、嘘ですね。
そんなこと、全然、聖書には書いてない。

そんな、クリスチャンすらしっかりと読んでいない聖書ですが、読んでみると、おもしろさは、たしかにあるのです。

で、この本は、聖書がどうやって成立してきたか、どんな意図で編纂されたかという研究を寄せ集めた感じの1冊です。
期待したのは、もっと、独自解釈がいっぱい出てくるような「ダ・ヴィンチ・コード」みたいなお話だったのですが、けっこう、キリスト教的な世界観にとらわれているところもあって、読み進めながらこれは、外国のキリスト教の影響の強い国で書かれた本だと途中まで誤解していました。
日本人だったのね。
結局、西洋の研究をまとめたものなので、そんなキリスト教の世界観に引っ張られたものになっている感じです。

聖書の中で、物語としてのおもしろさは、やっぱり、聖書中、福音書にまさるものはないと思います。イエス・キリストの物語ですね。この本も、福音書のところが、特におもしろいです。

真実のイエスは、聖書の中にはいずに、物語としての意図が強いという話は、わたしには納得できるものですが、けっこう、キリスト教を信じている人にとっては、衝撃的なのではないかと思います。

本自体は、今までされてきた聖書の研究について、いろんな説をまとめて読みやすいです。ここに、日本人的な飛躍が入ると、よりおもしろくなったかもと思いますが、そもそも、「おもしろさ」がテーマの本ではないので、これでいいのでしょう。

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天使と悪魔

「天使と悪魔」見てきました。

映画は、イマイチでした。まあそら、原作が全3巻ですから、説明不足にはなってしまいますよねぇ。

わたしは、「ダ・ヴィンチ・コード」の映画→「天使と悪魔」の小説→「ダ・ヴィンチ・コード」の小説→今回の「天使と悪魔」の小説という順番で接しているのですが、やっぱりというかなんというか、原作のある映画って、原作→小説の順番で見ると多少物足りなさが残ります。
まあそれは、最初に接したものの印象が強くて、おもしろく感じるというだけのことかもしれませんが。

原作の小説の方は、「天使と悪魔」は、「ダ・ヴィンチ・コード」よりもおもしろいといわれているそうですが1が、実は、わたしは、「ダ・ヴィンチ・コード」の方がよくできたお話だと思います。
「天使と悪魔」の小説の方は、まあ、あっちへこっちへ引きずりまわされる印象が強かったです。まあ、その引きずられるかんじが強烈で、それが、あの小説のおもしろさにもなっていたのだとは思いますが。

でも、アクションだけでは、全3巻も必要ないし、それほどおもしろいものでもありません。ダン・ブラウン小説の圧倒的なおもしろさは、ウンチクの豊富さにあるのだと思うのです。
もちろん、どうやら、嘘ウンチクもだいぶんあるみたいですが、それも含めて、なんとなく本物っぽいウンチクのおもしろさがあるのです。

で、今回の映画なのですが、このウンチクが、圧倒的に少ないのです。
アクションは、けっこう原作通りにあるのですが、ウンチクは、映像になりにくいというのが大きな理由かなぁ。
だから、謎解きとかも、けっこうあっさりめでした。

うまく作ってあるとは思うんですよ。でも、あれでは、カメルンゴの悲劇とかっこよさ、純粋さが、今ひとつ表現できていないと思うし、セルンのパートとも省略されていて、「科学か?信仰か?」というテーマも、一瞬の映像だけになってしまいます。

あと、イルミナティのアンビグラムですが、肝心の4つ合体したのがなかった……というのは、ねぇさんの不満でした。

まあ、映像になって、よかったなぁというシーンも、もちろんあります。あの枢機卿たちのヴァチカンでの普通のおっさん加減とか……。

これって、テレビシリーズとかで、毎回、1つヴァチカンの名所を巡る作りにして、12回もののドラマにすれば、おもしろいと思うのですが。

  1. 実際に、ねぇさんも、ウチの兄貴もそう言っていました。 []

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ダ・ヴィンチ・コードの「真実」

こういう本は、好きです。まあ、人のふんどしで……という感じはするのですが。
ただし、これだって、本来的にはすべてを信じていいわけではありません。本当に真実をしりたいのなら、自分で一次資料を見ていくしかないんだと思います。

でも、そんなヒマはないので、こういう本は、楽しいです。

まあ、小説というか物語は、いろんなことのきっかけになりうると思います。シュリーマンが、トロイの木馬を発見したように。

楽しむ目と疑いの目と、両方をバランスよく。

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ダ・ヴィンチ・コード 下

あれ、もうあんまり映画版のことは記憶から遠いのですが、こんなラストでしたっけ?

わたしの印象(記憶でないのでお間違えなく)では、映画は、もっと突き放した感じで終わっていたと思ったのですが。

なんとなくこの原作では、その突き放した感じがなくなっています。

「ソフィー、これからどうするねん!!」

みたいな感想で、映画は終わっていたのですが、こっちは、家族を見いだして救いのある感じです。

そして、信仰についても、ラングトンや読者に対して、ある一定の結論というか、考え方を示しています。

ということで、こっちの方が、映画版よりも、結論的にも好きです。

まあ、ある意味、原作の方が、キリスト教にある程度配慮しているともいえるのかもしれませんが。

しかし、ダン・ブラウンおもしろいです。
わたしは、「天使と悪魔」よりも、こっちの方が好きかもしれない。

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ダ・ヴィンチ・コード 中

キーパーソン、ティービングの登場です。

映画でも思ったのだけど、やっぱり、この人かっこいいわ。

この解説は、映画の方が画像がすぐに出てきてわかりやすいのですが、こうやって、言葉で説明される方がドキドキする感じがします。

日本人的にはやっぱり、

「それって、そこまで衝撃的なのか?」

ということはありますけどね。

しかし、それが人を「天国」に導くというのなら、義務ではなくて、気持ちよさも感じなきゃいけないと思ったりするのですが。
というか、もともと、性に関することというのは、もっとおおらかなものだったんでしょうねぇ。