千と千尋の神隠し シネマ・コミック12
映画を見ている間は、ものすごくおもしろくて中に入るんです。
でも、終わってから、内容を聞かれると、なんにも残っていないという。
それは、わたしの方が原因かもしれない。
また、どんなとき、だれと、どうやってみたとうだけの問題なのかもしれない。つらつら考えるに、映画館で見た「天空の城ラピュタ」、「もののけ姫」、「ハウルの動く城」は、けっこう好きです。「風立ちぬ」は、ものすごく反発した記憶が…。
そういう揺れる映画なのかなぁ。
嘗めてた。
これが、つくられると話を聞いたときも、公開されたときも、なんで今頃、ジブリが「おじゃまんが山田くん」をとか思っていました。
そんなんじゃない。これ、アニメの「じゃりン子チエ」に匹敵する名作です。
そして、これでやりたがっていたことが、「かぐや姫の物語」で完成する。そういうながれの物語です。
あと、宮崎 駿の物語は、シネマ・コミックではおもしろくないけれど、高畑 勲の物語はシネマ・コミックでも、充分おもしろいんですよねぇ。その発見があった1冊です。
これだって、動きはものすごく重要な要素を占めているはずなんですが、シナリオがしっかりしているというのは、こういうことなんだと思います。
これは、思い出があります。
もう20年ほど前、信楽に住んでいた頃。近くの小学校の学園祭か何かで、この映画を体育館でやったのですよ。思えば、けっこう新しい映画だったのでは。なんで、そんな映画を小学校で上演できたのか、いくらぐらいお金がかかったのかはわからないのですが。
「ジブリの映画をするよ」
ということで、一時は盛り上がったのですが、その題名が、「平成狸合戦ぽんぽこ」と聞いて、けっこう、子ども達をはじめ、みんなのテンションが落ちていた(笑)
ジブリと言えば、もう、「魔女の宅急便」はあったし、「天空の城ラピュタ」とか、「となりのトトロ」のイメージ。トトロは、そろそろ教科書に載っていたのではないかなぁ。
そんななかで、「平成狸合戦ぽんぽこ」。狸?信楽だからか。そして、平成って……。
子ども達と一緒に見ることも出来たのですが、駐車場係だったということもあって、わたしも、まぁ、見なくてもいいわなぁという結論に達して、体育館の外をブラブラしていました。
子ども達は、つまんないとか、それなら遊んでいたいとか、ブーブーいいながら、それでも強制的に体育館に連れて行かれていました。お気の毒様。
で、映画が終わって出てきた子どもを1人つかまえて、
「おもしろかったか?」
とからかい半分に聞くと、
「……おもしろかった」
と一言。マジかと思って、けっこう生意気盛りで、なんでも斜めに見る反抗期の男の子をつかまえて、その子にも感想を聞くと、
「めっちゃ、おもしろかった」
マジか。
それが、本当に、ため息つくように出てきたのでビックリして、見なかったことを後悔したのでした。
それから、実際に見るまでに20年。シネマ・コミックだけではなくて、ブルーレイでも見ました。
おもしろかった。確かに、凄いおもしろかったです。
きっと、あの時この映画を見た子ども達は、今は大人になっているけれど、どこかでこの物語が残っている気がします。
そして、「平成」も、「信楽」も、全然、物語に関係がないことを知りました。
この「平成」って、どっから出てきたん?