ほんだきんいちろう,シェル・シルヴァスタイン,読書Shel Silverstein,おおきな木,シェル・シルヴァスタイン

きっと、どこかで読んだことか、聞いたことがあるような、そんなお話です。
つまり、名作ということ。

ひたすら、与え続ける「木」。そして、その恩恵を受け取るだけの「少年」。
物語の終わっても、少年が木の愛情に気づいたのかどうかは、結局わかりません。
あくまでも、与え続けた木のうれしさがかかれているだけ。

でも、シルヴァスタインのすごいところは、最後の直前に、

「だけど それは ほんとかな。」

と、問いかけているところだと思います。

もちろん、結論は出ているのだけど、それでも、そうやって問いかけることは、とても大切なことだと思いました。

もし、与えることが「犠牲」だと思うのならば、与えるべきではない。木にとっては、与えることこそが、喜びであったようです。
なかなか、そうは生きられないけれど、理想としたい生き方です。

あと、背表紙にシルヴァスタインの写真があるのですが、顔がこわすぎでした。
まあ、人間、顔ではないよ。

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ぼくを探しに

「空の色ににいてる」に出てきた絵本「ぼくを探しに」です。

なかなか、ぼくにピッタリなカケラは見つからない。見つかっても、自分が強く求めすぎてしまって潰してしまったり……。

でも、とうとう運命のカケラを見つけたぞ。そう思って転がり出すと、完璧すぎてそのせいで、今度は、周りの世界そのものが色あせてきてしまう。
これって、子どもの本ではなくて、大人にもよく理解できる物語ですよね。

子どもに、欠けた丸の絵と、

「何かが足りない」

というセリフを見せて、

「さあ、お話をつくってごらん」

というと、正確に、何かを探して獲得していく話を子どもたちは作れるそうです。
だから、この物語は、物語の根元的な形であるのかもしれません。

でも、獲得したものをあえてはなすという選択そのものに、この作者の大人……メッセージを見ました。

でも、はなされちゃった小さなカケラがこれからどうなっていくのかが、ちょっと心配になったりもしました。

一緒に、となりあって歌いながら転がっていけるといいのにね。
ラッタッタと。