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わたしが幽霊だった時

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ版、若草物語(笑)。
4姉妹ということで、多分、意識はしていると思う。

賢い長女。活発な次女。芸術家肌ですぐ悲劇的になる三女。少し思慮が足りなくでも勘が良くて行動的な四女。

でも、若草物語よりは、それぞれ強烈な個性を発揮してくれます。1
姦しいよりも、姉妹1人分、多いですから。もう、喧しい。
で、いつもいつも、ケンカしているんだけれど、仲が悪いかというと、そんなことはない。
そして、その姉妹のあり方というのは、けっこう、あるあると思いました。
そこが、最後の盛り上がりをつくります。
ラストの対決、かっこいい。

主人公は、幽霊です。
多分、自分は次女だと思うのだけど……と、自分が誰かさえあやふや。そのあやふやさ加減とか、ままならなさは、ジョーンズなりの理屈が1本通っていて、ファンタジーだけれどもリアルな感じがします。

ただ、そのもどかしさが、そのまま作品にも出ていて、物語の途中、交通事故が起きるまでが、若干、だるい感じがしました。

でも、その後の展開は、ジョーンズらしい、スピーディな展開でした。

まあ、最後の対決で、アレ差し出して良かったのかとは思うんですけどね。
あれのせいで、未来が変わったのでは?

それでも、そこでそれを捨てたからこそ、これから新しい道を歩み出せるという力強さがあって、読後感は、爽やかです。

この人、ひねくれ者だから、嫌な感じで書いてある人のことを本当に憎んでいるわけでなかったりして、そこがわからないとおもしろくないんです。
だから、ファンタジーだけど、ちょっと大人の読み物なのです。

  1. といいつつ、オルコットの「若草物語」は、わたしは子ども用しか読んだことがない。読まねば(笑) []