犬神明9 ウルフガイ18
ドードーと犬神明、ビーと西城の二組のグループの動きは続く。そこに、いよいよ神明とキムたちのグループも動き出して……。
さて、いよいよ最後のクライマックスに向けて、動き始めた感じですが、あと1巻でまとまるとは、とても思えないです。
大丈夫か?
もしかすると、こっちも、アダルト・ウルフガイ・シリーズみたいなおわり方をするのだろうか。
4巻目。「タイガーウーマン」。5巻目なんて、しらなんがな。
ということで、このラストの半人半虎の虎2は、メチャクチャ印象的で覚えています。
でも、ジム・パッドンの正体とか、そういうのはまったく覚えていないという。
このシーンの開放感のためだけに、今まで鬱々があるかと思うと、さすがにやり過ぎ感は強いなぁと。
犬神明の活躍を長いことまった先の物語がコレだったら、そらファンも怒るわと思います。
わたしは、「幻魔大戦」から平井和正に入った人間なので、それほど、ウルフガイにこだわりがなかったから受け入れたのかも。
ただ、ほぼ内容を覚えていないことを考えると、「狼のレクイエム」第1部、第2部と比べると、かなり飛ばして読んでいたんだろうなぁと感じます。
新人がこれ本にしてってもってきたら、訳わからんと突っ返されると思う。
でも、凄い迫力だけはあるという……。
これは、ウルフガイ・シリーズの方も、アダルト・ウルフガイ・シリーズみたいに天使の時代に入るぞという宣言なのかな。
さて、次は今まで読んだことのない最終巻。
キム、出てくるの?
なんというか、ニューヨークに来てやっと動き出すウルフという感じです。
ちゃんと、お話自体は、メトセラプロジェクトを追いかけているようなので、ホッとしました。なんか、全然、違う目的でこっちにきたのではないかという気もしていたので。
敵か味方かが、わからない状況というのはなかなか、おもしろいです。
犬神 明が敵だと思っていても味方かもしれないし、逆もまた、充分にありうる感じです。
ただ、アダルト・ウルフガイ・シリーズは、あと2冊で、1冊は過去編。あとの1冊は、この続きの「人狼天使」の第3部です。そして、おそらく完結していない。
悲しい。
まあ、どこまで行くのか、最後まで読もう。
「ウルフ・ガイ・イン・ソドム」と「憑霊都市」。
ソドムとニューヨーク。ふたつの悪魔崇拝の街で繰り広げられるウルフの孤独な戦い。
まあ、悪徳のなかに同性愛までいれちゃっていいのかというのは、今のモラルからすると、私的には完全にアウトではあるが……。まあそのあたりは、精神的な結びつきがというよりは、肉体的な快楽を追い求めてはいけないという戒めではあるのかも。
ソドム時代のウルフの中に、現代のウルフの意識があって、いろいろ考えています。この時間が過去から未来に一方的にながれているわけではないという感覚は、なんというか平井 和正の凄さだなぁと思います。時間的な過去・未来の他に、魂の経験としての別の軸の過去と未来がある。
まあ、それをぼくたちは、どう読んで良いのかわからないのですが。
そして、ソドム時代のウルフは、普通の人間なんだというのが、けっこう衝撃的。
まあでも、天使が出てきて、話がまったく違うところにいくのではなくて、メトセラ・プロジェクトを追っている形なのは、ちょっと安心した。
そこも、だんだん怪しくはなってきていますが。