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幸田文 ちくま日本文学全集51

けっこう色っぽい話が多くて、なぜか、「岡本かの子」だとばかり思って読んでました。思わせぶりな感じって、今ではものすごくわかりにくいんだけれど、この当時はどんな感じで受けとられていたんだろうとか、いつも、この手の文学を読むと、考えてしまいます。
その時代の空気を伝えてくれるものでもあるし、その時代の空気がわからなければ理解できないものでもある。

あんまり、勉強したくない昔(今もか)は、時代の空気なんて考えずに、今の自分の読み方をすればそれでいいんだと思ってはいたけれど、それだけでは、消えてしまうものもあって、もったいなくも感じています。

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白井喬二 ちくま日本文学全集50

1巻全部、「富士に立つ影」。しかも、途中省略版。
これも、前巻の「島崎藤村」と同じく挫折かなぁと思って読み出したのですが、いやいや、けっこう面白かったです。

なんか、何代にもわたる因果が、いろいろ絡んでいる様子や、登場人物が、スッキリ、クッキリと浮かび上がっているところがいいなぁと思います。

なんというか、リアルな人間を書くとかいうと、どいつもこいつも、ぼやけちゃってということはあるかなぁと思います。複雑な人物をかこうとして、結局、よくわからない人物になってしまう。でも、これ話はそうではなくて、人が明快です。

あとがき読んだら、デタラメって書いてあった。いいんだよ、デタラメでもおもしろければ。そして、なんとなく信じられれば。物語なんだから。

これが本来の「ちくま日本文学全集」の最終巻の予定でした。でも、好評だから、10巻伸びたようです。
読み始めて、25年かぁ。あと10年ぐらいしたら、全部読めるかな。

そうすると、次に読みたいのは、河出書房新社から出ている「日本文学全集」なんだなぁ。いつまでたっても、時代に追いつかない(笑)

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島崎藤村 ちくま日本文学全集49

延々と、1冊すべて「夜明け前」の第2部。
すいません。「上巻」まではなんとか読み終えましたが、苦しくて、苦しくて、「下巻」の途中で挫折しました。

藤村なら、もっと別の適当な長さのおもしろい小説や、文章があったと思うのですが、コレかぁ。
しかも、第2部。
第1部から読めば、もっと面白いのかなぁ。

うーん、まあ、近代文学を代表する作品かもしれないけれど、あんまりおもしろくないです。
なんかねぇ、歴史の動きと登場人物のドラマが、繋がっているのに、ものすごくモヤッとしている感じがする。もしかすると、そこが凄いのかもしれませんが、うーん、藤村の頭がいいのはわかった気がします。

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海音寺潮五郎 ちくま日本文学全集48

おもしろくないことはないのだが……古い感じはいなめないなぁ。

ちょっと、マッチョというか体育会系のノリがあって、そこは、さわやかな感じではあるのですが、そこが、古い感じでもあります。

基本、男尊女卑。

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川端康成 ちくま日本文学全集47

多分、「伊豆の踊子」とか読んだのは、高校時代です。
このぼかしてあるところって、エッチな意味なのかなぁ……。いやいや、文学なんだから、そんなことはないのか……。とか悩みながら読んだ記憶が。

で、この本には、その「伊豆の踊子」は載っていないのですが、これを読んで確信しました。多分、あのときわたしが妄想したことと、川端 康成は同じことを想像していたに違いないと。

え~と、何というか、年老いて、なお妄想力のたくましい人というのは、あきれるけどすごいということか。宮崎 駿もそうだけど。
「山の音」なんて、息子の嫁にひたすらエッチの妄想をかき立てられるというだけのお話です。そして、なにも起こらないところが、文学なのか?