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めぐる季節の話 安房直子コレクション7

これで、「安房直子コレクション」が終了です。
ちょっと、本読んで幸せな時間をもてました。

でも、わたしのお気に入りの話が入ってないんですよねぇ。

そのうち、この続きが出て、全集にならないかなぁ。

緑のステップ

これも、あとの「初雪のふる日」もなのですが、去っていく時間や季節に、一抹の悲しさと残酷さがあります。

その悲しさは、時間を止められない悲しさなのかもしれません。

もぐらのほったふかい井戸

これは、物語の法則に則ったお話ですねぇ。
落ちるぞ、落ちるぞと思っていると、やっぱり落ちていきました。

実は、子どもって、ハッと驚くお話も好きなのですが、こういった、思った通りの動きにも、ドキドキするものなのです。

そして、欲望の果てにあるのは、孤独。

このラストが、納得のいく救いなのかどうかは、人によってそれぞれだと思います。

初雪のふる日

なんというか、ハーメルンの笛吹男の様に、魅惑的で残酷です。
自然の移り変わりというのは、そういうものかもしれません。

安房直子の童話は、現代物なんだけども、あんまり時代を感じさせなくて、フッとバスなんかがでてくると、ちょっと、ビックリします。

エプロンをかけためんどり

この残酷さはなんだろうと思います。
でも、この残酷さを、見ないふりをしながら生きているのが、日常なのかも。

しかし、飛ぶ雌鶏。すごいイメージだなぁと思います。

花豆の煮えるまで-小夜の物語

安房直子にはめずらしい続き物です。
続き物ということで、エピソードが、あんまりまとまりのない日常的な風景のような作品になっています。
そして、この味は、けっこういいなぁと。

他の安房直子作品に比べると、「日常」と「ファンタジー」で、ちょっと「日常」の方に傾いている感じの作品です。

なんていうのだろう、ファンタジー的な物語なんだけれども、解釈によっては、日常のなかのエピソードともとれるような感じです。

うさぎ座の夜

あれ?なんで?これ、宝温泉の小夜ちゃんの話でしょう。なんで、「花豆の煮えるまでに」のなかに入ってないの?

という疑問からはじまって……、

これ、ファンタジーよりすぎてる。確かに、同じシリーズには入れられないよなぁ。
でも、小夜ちゃんの話は、ファンタジーによっていないからいいのに……。

になって、

手袋がどこへいったかの話になったかに気づいたあたりから、メチャクチャ楽しくなって、顔がニコニコしてしまいました。