MAO5
魚住さんがかっこいい5巻目。
マオの因縁話が続いています。
「バイポーラ」って盛り上がり方からして、全6巻の「ズミコ」の5、6巻ぐらいの話かと思うじゃないですか。それが3巻にあるって、どうよ。
そして4巻目は、イズミコというよりは、サガとユーコの関係性が中心になってきます。
お話の決着のつけかたとしては、この手のマンガでは2種類しかないと思っているのですが、そのどっちにもっていくにしても、枝葉的なところの整理をしておこうという感じだったのかなぁと。
そのへんのバランス感覚としては、「うる星せつら」の後半で、しのぶの落ち着き先を考えた高橋 留美子とよく似ている。物語の構造も、「うる星」と「イズミコ」はけっこう似ていると思います。
そういえば、どっちも、劇画村塾出身でしたっけ?
わたしは、「みゆき」からの読者で、「ナイン」とか「陽あたり良好!」にもどっていった人なんです。それより前の少女マンガも読んだけど、イマイチだなという感想です。
その頃には、もう、「タッチ」で売れっ子になってたしなぁ。
あだち 充って、あの頃、「ナイン」あたりでぽっと出てきた人だと思っていたのですが、けっこう下積み長かったんだと驚きました。
高橋 留美子に並ぶヒットメーカーというイメージしかないです。
そして、「タッチ」のせいで「みゆき」が終わったときには、悲しかったです。「みゆき」の盛り上がりのずらしていくやりかたって、あの頃のワンパターンの少年マンガではなかったもので、ものすごくおもしろかったです。
そして、マンガのかき方も、独特ですねぇ。編集との雑談から、つくっていく。もちろん、少年マンガってけっこう打ち合わせが重要みたいで、どのマンガでもそうなんだけれども、その編集さんとの雑談への比重がえらい高い。
それが、長年続いてきた秘訣なのかもしれないと、ちょっと思った。自分でかきたい「なにもかも」があるわけではなくて、お題を出してもらって、それに肉づけてしていく。
「なにもかも」系の作者って、それが尽きたら終わりだと思うのですが……。
この手の本としては、ほんとうに作者へのインタビューがメインで純度が高いです。おもしろかった。