元禄無頼 下之巻
なんか、男だけで完結していてもいいのに、そこにお藤みたいな女の子を入れてくるところが、まあ、栗本 薫の色気があるところなのかなぁと思ったりします。あと、最後になんか歴史に絡めていくところも、物語というものに対する色気があるんだろうな。
しかし、男はみんながみんな、破滅に向かって一直線という感じですねぇ。やり過ぎ感ありますが、これは、そんなどうしたって風に書かないわけにはいかった物語なのだろうなと思います。切実に。
ルビー文庫ということで、もう何にも制御しない感じの栗本 薫です(笑)
美少年とか、美男とかが、ひどい目にあうのが好きだな、本当に。
いや、退屈する旗本がかっこいいかといわれると、まあ、いつものやっかみも入っているけど、ボンボン甘えんなという感じなんですよねぇ。いや、中学生ぐらいなら、格好いいと思ったかなぁ。いやぁ、その頃から、憧れはトチローだったからなぁ。
同性キャラには、どうしても厳しくなるな。まあそれは、作者も同じなので、そういう目で見てあげないといけないと。
そう考える、まあ、オタクって、男も女も同じ様なものだと思うのだが、けっこう対立は深い……いや、今でも深いのかな。
まあでも、着地点がわからなくてちょっとハラハラするというのはあって、そこはやっぱりおもしろいです。
放り投げられて終わるという心配もありますが。
下之巻に続く。
ゴティックメードとして、アップデートされて衝撃の連載再開した13巻目。
いきなり、ダッカスのアップでかっこいいです。
そして、デコースの
「正々堂々と戦うな!本陣を潰せば勝ちだ GTMに乗らせるな!」
のセリフが、いいですよねぇ。部下の消耗を嫌っていることが良くわかる。
まあでも、読み始めでびっくりはしたけれど、これが本当に映画の「ゴティックメード」からの直接の続きになるとは思っていなかったです。すごいよね。
作者が、ツバンツヒがかわいいと言っていたのも、この巻を読むとちょっとずつわかってくる。モラード博士の前で、顔真っ赤にしているところとかいいです。
「聖宮ラーン」で、「ゴティックメード」のラストシーンに完全につながる。イメージだけのシーンではないんだという驚きがあります。
ツラック隊にソープが合流するまで。主人公たちが動き出して生きた感がものすごくある。
初、武内 涼です。
あらすじをよんでいる限りでは、おもしろそうなんだわ。しかし、山田 風太郎が読みたいと思って読み進めると、ものすごいミスリードされて肩透かしを食らいます。まあ、これは、この本が「ホラー文庫」から出ていることを考慮しなかったわたしが悪いのかもしれません。
「東亰異聞」の感想でも書いたけれど、2つのジャンルのおいしいとこどりをしようとして両方活かし切れなかったり、片っ方を期待した読者から失望されるというのは、割とよくあることではないかと思います。「東亰異聞」のように、あれだけケンカするジャンルを見事にくっつけたのは、なかなかないです。
今回は、「忍者」と「ホラー」。「ホラー」というよりは、妖怪退治になるのかなぁと思いますが。で、わたしは、あきらかに「忍者」よりで読んでました。作者的にも、ミスリードしてビックリさせたいというのはあったのかな。いや、もともと、そんな意識はなくて、勝手にミスリードされただけかもしれませんが。
で、閉ざされた森の中で起こる怪異も、絶対なんだかの敵の忍術的なものだと思って、けっこうワクワクしていたら……。妖怪。なんじゃそら!!
いや、わたし、妖怪すごく好きですよ。でもこれ、今まで積み上げてきたものが崩れてないか?
これが、物語の最初で示されたのなら、けっこうノレたかもしれないのですが、、半分過ぎた頃って遅すぎないか?そして、そこでも「甲賀忍法帖」のパロディやってて、また、若干のミスリードするし。
「やられた」「上手く、欺された」というよりも、「えー、期待していたのと違う」という印象が強かったのです。
まあ、最後まで読めたし、つまんなくはないんですが、だから、ちょっと評価は保留な感じです。
そっちよりの人なんだと思って、次回作を読んでみて、読み続けるかどうか決めよう……。と思って、「そっちより」と思って読むとまた、欺されたりして。