ロスト・シンボル 下
おもしろいんだけど、なんかあっさりまとまったなぁという印象。
なんか、オカルトをおわせておいて、しっかりラングドン・シリーズの枠の中でお話をまとめているのは、ダン・ブラウンの偉いところだと思いますが。
でも、同じ設定で、同じ雰囲気で、派手で荒唐無稽な伝奇の方に暴走していく物語が読みたいなぁ。
これ読みながら、ふっと、「紫の結び」の印象も浮かんできて、「源氏物語」って、源氏が紫の上を思い通りの女に育てたと思っているけど、そんな事なくて、源氏は、女の人の資質に実はまったく影響していないのではないかと。
それが、この六条院が出来ていく過程で書かれている事なのではないかと思ったりしました。
と、いろいろ感心しながら読んでいたのですが、後半は、それでもイケメンには弱いのよと源氏に同情的な解釈に。
というか、紫式部モテモテで、作者の欲望全開な展開で、それはそれで楽しかったけど、ちょっと違う方向を望んでいたなぁと。