ぼくの孫悟空1 手塚治虫文庫全集
手塚版の「西遊記」といえば、アニメの「悟空の大冒険」をお思い出すわけです。あの八戒が車に乗っているやつね。
あれよりも、大分、真面目です。
沙悟浄が、カッパでないあたりが、手塚のこだわりだなぁと思います。
大団円。
「西遊記」って、最初から牛魔王ぐらいまでは、よく語られているのですが、後半ってあんまり知らない。
唯一、昔読んだ子ども用の西遊記は、最後、弟子たちが人間になって、みんなで温泉に入って終了。
で、子ども心に、「なんじゃそりゃ」とか思っていたのですが、この終わり方は、けっこう好きですねぇ。
旅は続く。
でも、あんまりにも、日本人好みな物語になりすぎている気もちょっとします。
まぁ、日本人が書いて、日本人が読むんだから、これでいいのか。
かわいい悟空。気のいい八戒。渋い悟浄。八戒が、ものすごく成長しておいしいところをとっていった分、悟浄は、ちょっと渋い役どころで目立たなかったかな。
あぁ、「パタリロ源氏物語!」だけでなくて、こっちも、途中で終わっているんだ。
外伝って、なんだよ!!
しかし、こうやって見てみると、「パタリロ源氏物語!」も、「パタリロ西遊記!」も、作者が意図したところで終わっている様な気もしないではない。
特に西遊記は、後半、けっこうグダグダみたいだからなぁ。
ものすごい、みんな仲良しで、和気藹々と旅をしている感じです。
こうなってくると、八戒がかわいいです。
昔は、ブタだし、好きではなかったのだが……自分の体格が変化したせいか?(笑)
この世界では、パタリロよりもマライヒが名探偵みたいです。
密室殺人とか、嬉々として推理している三蔵法師が、楽しいです。