荒俣 宏一覧

この書は現在の事実なり

遠野物語 新版 付・遠野物語拾遺

今、インスピレーションがピピッと来て、荒俣 宏の「帝都物語」という題名は、この「遠野物語」からきているのではないかと気づきました。
違うかな?

「遠野物語」を読むのは、2回目です。
NHKで、「100分で名著」という番組があって、これが最近のお気に入りなんですが、それで取り上げられているのを見て、また読みたくなったのです。

言葉的には、若干読みにくいのですが、読むたびにいろいろ想像が膨らみます。
こういう話が伝わっていくシステムがどんどん失われていくのは、とても悲しいことだと思います。

でも、今のネットの広がりは、「お話」がテキストとして半永久的に残っていくので、もしかしたら、ぼくらは、新しい「遠野物語」的な世界を獲得していけるのかもとも思います。

拾遺集は、今回はじめて読みましたが、褌を盗む話とか、今のマンガにもありそうなホラっぽい話が楽しかったです。


いつかまた、魔人よ蘇れ!

新帝都物語 下 維新国生み篇

なんか、荒俣 宏の小説も、どんどん派手になっていて好きです。

相変わらず歴史上の有名人から総袋だたきにあう加藤。実は、かわいそうな人なのではないかと思ったりもします。そして、明治になってすぐに復活。いそがしすぎる人だ。そこが、なんとも滑稽でおもしろかっりする。

加藤という存在そのものは、たがみ よしひさが、「滅日」でかこうとしていたものと同じなのではないかと感じました。人のフラストレーションがたまると、彼が暴れて倒されることで、それが解消されるみたいな。

……やっぱり、かわいそうな存在なのかも。まるで、生け贄になる聖者のようですらある。

荒俣 宏
角川書店,角川グループパブリッシング
発売日:2009-08-25
 


加藤、再び

新帝都物語 上 維新国生み篇

「新」とかついていますが、舞台は過去です。

明治維新の時代の魔人加藤。えっ、そんなんあり~。でも、ありですよ。

メインのストーリー自体は、帝都物語の焼き直しっぽいところも多いのです。加藤、あいかわらず女に弱いです。
が、この小説は、ストーリーだけが読みどころではないのです。ウンチクがメインなのです。多分。
それが、やっぱり、面白い。

今回は、国生み神話における定規とコンパスをめぐる冒険です。
こういうネタをしゃべらせたら、荒俣 宏、本当に、天下一品です。

荒俣 宏
角川書店,角川グループパブリッシング
発売日:2009-08-25
 


白か?青か?コーヒーか?

ホワイトプルームマウンテン GREYHAWK

D&Dの小説です。

どんな小説かというと、悪い魔法使いが、街の魔法のアーティファクトを盗んでダンジョンの奥に潜ったから、それを取り返すために、主人公がダンジョンを制覇していくお話です。

その世界の名前がグレイホーク。ダンジョンの名前がホワイトプルームマウンテン。
主人公の名前は、ジャスティカー。クラスは、レンジャー。

ものすごい、ストレートなRPG設定です。

で、いろんなパラディンとか、僧侶とかとパーティを組んでダンジョンに挑みます。

でも、このパーティが、もう、お互いに寝首をかこうとしているヤツのオンパレードです。信用できる(?)のは、相棒のシンダーズとフェアリーのエスカーラだけ。

でもまぁ、このジャスティカーですが、凄腕冒険者で、剣も、回復魔法も、けっこう使えるという。攻撃魔法や偵察は、フェアリーのエスカーラがして、モンスターの気配は、シンダーズが感じ取ってくれる。
剣も、かなり優秀な魔法の剣です。
だから、だいたい3人で、苦難を乗り越えていく感じです。

ということで、ストレートなダンジョンもので安心で、しかも、ところどころアレンジが効いていて、何よりも、キャラクターが、今的造形で、生き生きしていて、とっても読みやすかったです。

特に、モンスターまで口先三寸でなかまにしちゃう、エスカーラは、このお話の華です。

主人公は、ごつい禿男なんで、あんまり受けない……続編が、日本では翻訳されない……ような気もしますが(もともと、あんまりこの手のファンタジー小説の需要はないか?)、わたしは、続編が出たら、積極的に読みたいです。

イメージは、山田 ミネコの描く、ハヌマンとかで、けっこう、山田 ミネコのマンガに似合いそうな気がする(笑)

はじめて題名を見たときは、「ホワイトブルーマウンテン」と読んでいて、

「白か?青か?コーヒーか?」

とか思っていたのは、内緒。
プルームでした。


盛りだくさんな時代だな

陰陽師 瀧夜叉姫(上)

今回のお話は、平 将門ということで、なかなか魅力的です。
伝奇小説が、メチャクチャおもしろいと思って本格的に読み始めたのは、荒俣 宏の「帝都物語」からなので、平 将門は、大好きです。

まあでも、将門と晴明が、同じ時代の人とはしらなんだです。

マンガ岡野版「陰陽師」では、ただのセクハラおやじ(?)だった、賀茂 保憲が、小説版では、けっこうかっこいいです。
沙門の元飼い主??