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60年代日本SFベスト集成

2010年代の年刊日本SF傑作選「結晶銀河」を読みながら、並行して、こっちも読んでいました。こっちの方は、まだ、ワンアイデアで赦されるようなところがあります。まあ、時代的に読み手も育っていなくて、いろんなアイデアを詰め込んでも、理解されなかったりしたのだろあなぁ。

その分、単純にできていてシンプルにおもしろいです。そして、SFのおもしろいところって、この時代から大きく変わってはいないのだなぁと思いました。

最大の収穫は、星 新一の「解放の時代」ですねぇ。わたし、星 新一、かなり読んでいるはずなんですが、こんなん書いているとは、まったくしらなかった。
爆笑しながら読んでいました。
しかし、これ星 新一としては、絶対隠しておきたかったヤツのような気もします。

半村 良の「H氏のSF」とかも、ただ酒場で馬鹿話するだけ。それでも、あぁ、コレでいいんだと思いました。オレが書くのがSFって感じですねぇ。

難しかったのは、荒巻 義雄の「大いなる正午」。やっていることは、土木工事なのに無茶しすぎ。

なんか、物語としては「男のロマン」みたいなのが多い気がします。時代かな。そういえば、ここには女性作家は1人もいませんねぇ。

筒井 康隆,
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筑摩書房
発売日 : 2013-03-01

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幸田文 ちくま日本文学全集51

けっこう色っぽい話が多くて、なぜか、「岡本かの子」だとばかり思って読んでました。思わせぶりな感じって、今ではものすごくわかりにくいんだけれど、この当時はどんな感じで受けとられていたんだろうとか、いつも、この手の文学を読むと、考えてしまいます。
その時代の空気を伝えてくれるものでもあるし、その時代の空気がわからなければ理解できないものでもある。

あんまり、勉強したくない昔(今もか)は、時代の空気なんて考えずに、今の自分の読み方をすればそれでいいんだと思ってはいたけれど、それだけでは、消えてしまうものもあって、もったいなくも感じています。

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書痴まんが

マンガ好きは本好きということで、「ビブリオ漫画文庫」に続いて「書痴まんが」。
本にまつわるお話は、やっぱりおもしろいのです。諸星 大二郎の表紙もいいしねぇ。

山川 直人「古い本」とか黒田 硫黄「男と女」とかは、多分、こういうアンソロジーじゃないと読めない(読まない)ので、そういう意味でも貴重です。

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大村はま 優劣のかなたに 遺された60のことば

伝説の国語教師、大村 はま。
その人の言葉と様子を、弟子が伝える1冊。

すべてをなげうって、教育に尽くしたことが伝わる。
それが、誰にとっても正しいのかどうかは、わからないですが。

すべてをなげうって、それは尊いことではあるのだけれども、それを人に強いる社会はどこか歪んではいないか?
もちろん、大村はまの人生が、充実した素晴らしいものであり、またその業績が偉大なことは認めた上で。そして、けっして大村自身が強いられたことではないだろうとは思ってはいるのだが。

それは、そんなに頑張れる「才能」が自分にはないというひがみや嫉妬であるとも感じるのだけれど。

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ニセ科学を10倍楽しむ本

子ども向けのニセ科学の啓蒙書…かな。
これを子どもと読むと、子どもの方が賢くなって、生意気とかいわれちゃうだろうなぁと。

まあ、大人でも、この手の話をするとけっこうめんどくさい人とか、つまんない人と言われがち。

いや、だから「楽しむ本」なんですね。
嘘は嘘と知った上で、そのフィクションを楽しみましょうと。
ほとんどの人間は、「物語」で世界を覚えたり、理解したりする。そして、ぼくたちは、おもしろいお話が大好きです。そして、そこに自分のパワーがかかわったりしたら、もう最高じゃないですか。
そこはもう、仕方ない。そういうふうにできている。
でも、その境目のところは、「楽しもう」ねということですよねぇ。

内容は、良く聞く話ではあるけれど、ビックリするほど浸透はしていない感じがする。だから、こういう本は必要ですよね。