うさぎドロップ2 新装版
幼稚園時代、終了。
いい話です。
でも、実のお母さんに男がいて、りんはダイキチの養女になることを避けた。
これって、ちょっと想像通りの展開になるのではないかと。
うーん。
おっきい本の1巻目の表紙を見た時から、けっこう良さそうなマンガだなぁと思っていました。
ただ、独身男性が女の子をひきとって育てる話ということで、なんとなく先が読めるような気もして、その自分の想像した展開というのに今ひとつ納得がいかなかったという謎理由で、今まで購入もせず読まなかった1冊。
その時点で、数巻出ていて、表紙のイラストを見ただけで、その女の子が、けっこうな娘さんに育ってしまうのがわかっていて、余計に、いろいろ勝手な想像が膨らんだというのがあったのです。
うーん。
なんかね、「ファミリー」の最終巻に載っていた「時の絆」みたいな話になるんじゃないかという。
まあ、よくある展開といえば、よくある展開。「源氏物語」。
でも、「ファミリー」を読んでいた時点では、自分が若かったこともあって、あの展開って、すごく感動した覚えがあります。今でも、あの話は好きです。
でもねぇ、年を取ると共に、あの展開にかなり疑問を持つようになってきたんですよ。
うーん、年取ってわたしが純粋でなくなったということもあるのかもしれませんが。
昔はねぇ、大人が子どもに持っている影響力に対して、過小評価していたところがあったのかなぁと思います。
まあもちろん、子どもなんて大人が思っている通りに育つもんじゃねぇという意見があるのもわかるし、それも真実なのですが。
でもねぇ、その子にとって唯一の信じられるかげがえのない大人であって、その大人が子どものモラルの指針ですらあった場合、その人に見捨てられたら世界が終わると子どもが感じている場合、子どもの選択の余地って、ものすごく少ない気がするのです。
もちろん、「ファミリー」に出てきた彼は、そんな展開を思ってもいない人だったんですが、自分が彼と同じだと思っている人間のなかに、でも、自分の欲望に忠実なだけの人間もいることも、なんとなく知っているのです。光源氏は、典型的にそんな人間ですよねぇ。
どうも、最近とみに、人が人を支配してなにかさせるということに、どうしても抵抗があるようです。
てなことを考えて1、読んでなかったのですが、兄貴の本棚にありました。
「これって、源氏物語みたいな話になるんとちゃうの?」
と聞くと、
「血縁関係上、それはないと思うよ」
と言われました。
で、今回、新装版が出たので購入。
うーん。小さい子の心の動きとか、それをフォローする大吉の動きとか、良いわぁ。
これで素敵だなぁと思ったのは、大吉のお母さんとお父さんですね。最初は、当然そういう反応だよなぁというところから、でも、ほっとけるわけもないよなぁというのが、なんというか単純じゃないんだよというのがすごく良くわかります。
まあでも、まだ血縁関係のこととかは、ハッキリしたことはわかっていないので、心配した展開になっていく可能性もあるなぁとも思っていますが。
それでも、凄い良かったです。
あと、大きな本の1巻の表紙に惹かれていましたが、この新装版の1巻の元気なりんちゃんの絵も好きです。
人情ものが半分、ハードボイルドが半分、あやかしが半分(…1より大きいじゃん)という、菊地 秀行お得意のお話です。
妙に日本的で、好きです。この人が「かっこいい」と思う感性というは、まあ、やりすぎな感じもあるのですが、しっくりくるのです。
このなかでは、「さらば歌姫」が好きです。
しかし、わたしは、菊地ファンのくせに、魔界都市ブルースのシリーズというか、秋せつらの出てくるお話は、今回が初めてという信じられない人間です。
多分、菊地 秀行のなかでは、これか「バンパイアハンターD」が1番人気のシリーズかな。
まあ、かなり前の作品ということで、古さはあるのかもしれないのですが、むしろ、今の世相に近づいているところも多いよなぁと思います。