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続・幻影城 江戸川乱歩全集27

まぁ、「くそくらえ!」まで言っちゃうと、ちょっと言い過ぎかもしれないですが。

でも、本の感想を書く理由って、自分の楽しさを伝えて、その本を誰かに読んでほしいと思うからじゃないですか?
そういう意味では、乱歩のこの本って、評論としては甘いかもしれないけど、その役割は、達していると思います。

乱歩、メチャクチャ楽しそうです。

まあ、この人らしく、膨大な資料を集めてやっているので、ついつい、「評論」とか、「論文」を期待したくなるのかもしれませんが、この本の目的って、結局、世に推理小説を流行らせたいとか、紹介したい……いや、オレは、こんなにおもしろい推理小説をこんなにたくさん読んだぞ~と言うことなんじゃないかと思います。

しかし、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズや、チェスタートンのブラウン神父が、けっこう昔の作品なのは知っていたけど、クリスティや、アイリッシュの「幻の女」、チャンドラーなんかも、けっこう昔からあったんだなぁと知って、ビックリしました。

わたし自身は、本格推理ものよりも、ハードボイルドの方が、読みやすいんですけどね。
でも、これ読んで、ホームズとブラウン神父は、ちょっと読み返したくなってきた。

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三角館の恐怖 江戸川乱歩全集15

青銅の魔人

少年探偵団の敵は、二十面相しかいないのでしょうか?

パターンなんだけど、乱歩自身が、けっこうこのパターンを楽しんでいるような気もします。

虎の牙

うーむ。犯人は、熱狂的な阪神ファンと見た……。
違いました……。

犯人は、はじめからわかっているので、少年探偵団ものっていうのは、推理小説ではなくて、冒険小説ですね。

と、知っている人にとっは、言わずもがなのことを……。
いや、わたしは、はじめて読むから。

断崖

こういう、短編は、好きですねぇ。
それから、乱歩の書くこういう悪女も、けっこう好きです。まぁ、間違っても、わたしと関わりになるタイプではないけれど。
というか、物語の中だけで生きている女って感じがするから、いいのかも。

だれか、自分よりかしこい人間が出てきて、その「運命の人」が、自分の悪事を止めてくれるのを待っている感じがあります。

これは、「黒蜥蜴」にも通じるものがある。

三角館の恐怖

推理小説好きの人は、奇抜なトリックを、「面白い!」と感じられる人なんだと思います。
ある意味、大人だ…。

実は、わたしはというと、奇抜なトリックには、ひかれないのです。というか、イマイチ、ちゃんとした推理ものだと、なにが書いてあるのか理解できないときもあるという……。

まあ、推理ものは、乱歩とクリスティだけおさえとけばいいか。

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池袋ウエストゲートパーク

実は、いろいろな本を読むわたしですが、ミステリーというか、推理小説だけは、なんか苦手で敬遠してしまうわたしです。

まあ、江戸川乱歩とか、栗本薫とか、ごく一部の作家は読んでいるのですが、ハードボイルドすらけっこう敬遠しています。

ということで、気合いをいれてミステリーを読んでみたのですが、なんか、ミステリーというよりも、けっこう普通の話だ。
ストーリーが想像の外にいかないというか……。つまらないかといわれると、そんなことなくて、心地よいです。
かなり、「お約束」な部分を守ったお話だと思いました。

実は、テレビドラマの「ビックマネー」(だったっけ)が、ちょっと気になって時々見ていて、その原作の「波の上の魔術師」が読みたくて、この人の本を読み始めました。植木等が、すごいかっこいい役だった。
「波の上」は、わたしはまだ読んでいないけれど、妹の感想によると、

「いつ、おもしろくなるのかなぁと思っているうちに終わった」

とのこと。
「池袋」は、短編連作だけど、多分、「波の上」もこれと似たようなテイストだったんだと思います。
ただ、本当に、しょうもない、読みにくい小説だったら、妹は途中で投げ出しいていると思うので、そのあたり、読みやすさがあるのだと思います。

若者の一人称で書かれているのですが、この文体は、かなり計算の上で出てきたものなのだと思います。
時々、まだ出てきていない登場人文への言及があったりして、そのあたりも、かなり確信犯だなぁと思いました。

キャラクターが、とてもいい味出しているので、この人達が勝手に動き出したら楽しそうだなぁと思っています。