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探偵小説四十年 下 江戸川乱歩全集29

ラスト。
江戸川乱歩全集、全30巻コンプリートです。

もともとは、講談社文庫から出ていた江戸川乱歩全集1があって、それは、天野 喜孝がイラストをかいていたんですよねぇ。これを65巻全部集めて読みたかったのですが、その頃、高校生で財力が無かったため第1回配本ぐらいしか購入できなかったのです。たしか、月5冊ずつぐらい出てたしなぁ。
まあでも、それで大人物向け少年向けのどちらもの物乱歩の面白さを知って今にいたるわけです。

実は、図書館にあるポプラ社の乱歩シリーズは、絵が怖くて手を出してなかったんです。あの時、イラストが大好きな天野さんでなかったら、乱歩自体読んでなかったかも。

今はだいぶん風向きがかわりましたが、日本で、小説といえば、それもエンターテイメント小説といえば、ほぼミステリーで、わたしは、ミステリーがあんまり好きではなくてわりと小さな時から星 新一とか、眉村 卓とか、SFばっかり読んでいたのですが、そんなときでもホームズと乱歩だけが読めるミステリーでした。その後、クリスティーとかも好きになりますが。

まあ、ほぼミステリーばっかり出て売れているという時代は、この本を読むと乱歩と仲間たちが、コツコツと積み上げて作っていったんだろうなぁと。
そして、いっつも、推理小説のことを応援しようと喜んでいる乱歩の文章を読んでいると、今の推理小説を読んだら、どんなふうに乱歩だったら語るのかなぁと、なんか楽しくなってきます。

いや、別にミステリーがわたしの好みでなくても、その道に詳しい人が愛を込めてそのジャンルを語るのは尊いです。

  1. 今調べてみたら、「江戸川乱歩推理文庫」というらしい。 []

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栗本薫・中島梓傑作電子全集3 ぼくらの時代

ぼくらの時代

まあ、わたしらよりも1世代上の人たちの青春である「ぼくらの時代」です。
多分、わたしらは、「ぼくらの時代」よりも、「グイン・サーガ」から栗本 薫に入ったのではないかと思います。もしかすると、「トワイライト・サーガ」からかもしれない。
おそらく、「ぼくらの時代」をはじめて読んだのは、中学生ぐらいのときかなぁ。

でも、一世代上といいつつ、小学生時代から従姉の影響もあり、少女マンガなんかをよく読んでいたわたしとしては、良くわかる話だなぁというか、同世代の空気や雰囲気は、感じていたような気がします。
まあ、ねぇさんのと気があったり、話があったりするのは、この辺の教養のおかげです。

多分、これ小説読む前に、雑誌にのったマンガを読んでいるんですよ。そこで、

「笑ったね、悪党ども」

という名セリフも読んでいたし、トリックもしっていました。

いや、本当にそんなマンガがあったかどうかは、確かめようがないのですが、たしかに、このテンポや会話、知ってると感じながら読んでました。

なんだろう。なかにめちゃくちゃウェットなものを含んでいるくせに、やっていることはものすごくドライというこの感じは、まさに時代だよねぇとしかいえないです。
その頃のわたしの行っていた中学は荒れていて、そういう雰囲気ともフィットしていました。

その時の「空気」が、わからない人にとっては、全然、理解できないのではないかと思いつつ、その時の「空気」をものすごく正確に切り取っているという意味では、やっぱり、名作なんだと思います。

文体は、かなり計算されていてあざといと思います。まあ、そこを含めての空気かな。

ぼくらの気持ち

少女マンガ家たちの世界が舞台という以外は、案外覚えていないものです。

まあ、覚えていたのは、ヤスが就職した。ダーティペアが出てきた。みたいなことだけ。
薫くんの恋とか、どんな推理があったかとかは、さっぱりです。

ああでも、名探偵の謎解きのない推理小説なんてつまらないというのは、覚えていた。というか、ここで読んだのか。どっかで聞いたセリフだと思ったけれど、この本だとは思わなかった。

時代は、やおい華やかりし頃。で、けっこう、その世界の大御所の割には、辛辣です。
まあ、「ぼくら」シリーズは、他人から受け入れられるために書かれている小説なので、まあ、そういう書き方になるかというのもわからないでもない。多分、前回読んだときには、そんな辛辣さは、わたし自身もそんなに気にはならなかったので、時代がかわったというのもあるかもしれない。

でもなぁ、自らのバンドに「ポーの一族」ってつけている薫くんが、そこまで、やおいを嫌うかというのは、ちょっとあります。まあ、そういうポーズをしていないと、何をいわれるのかわかったもんじゃない時代でもあったんだと思うけれど。
そして、薫くんが、その時代を映す鏡としてのキャラクターだとしたら、そういう反応しかありえないのだともおもうのだけれども……。ちょっと、もやっとする感じではあります。

「猫目石」で、薫くんが恋する話を覚えていて、あぁ、でもこのキャラクターの女の子の好みというのは、ものすごく一貫しているんだなぁと、それは、今回あらためて読んで見て、ものすごく思いました。

ぼくらの世界

ぼくらシリーズって、3人組が一人一人離れていく話なんだなぁと。
「ぼくらの気持ち」ヤスが離れて。「ぼくらの世界」では、ほぼ薫くん1人の物語と言ってもいいと思います。

そういう変化と、感じなくてもいいぐらいの自分を持っているはずなのに、時代の空気というを感じずにはいられない作者の栗本 薫との葛藤があるみたいで、あとがきがちょっと切なくて楽しかったです。

シャーロック・ホームズ賞を巡る事件ですが、甲野乙骨が、格好いいよねぇ。
あと、ダーティペアのケイちゃんは、結婚したんだとビックリした。

猫目石

栗本 薫VS伊集院 大介。
といっても、そんなに戦っている訳ではなくて、はじめっから大介は薫くんのサポートにまわっている感じです。

これも、読んだことあるはずなんですが、ラスト以外はまったく覚えていませんでしたねぇ。
でも、この「伊集院大介はまちがっていた。」というラストは強烈で、めちゃくちゃ覚えていました。
そして、このラストだけで、後世に残っていい名作だと、読んだときには思ったのでした。
あいかわらずミステリーに向いていないわたしの脳みそは、あれ、なんで薫くん、一条に襲われたんだっけ?とか、すでに、記憶障害を起こしていますが。

で、今回、ラストも知った上で読んで、ちょっとゾッとしたのは、日美子の予言って、けっこう当たっていますよねぇ。ものすごい悪意をいれこんでいたのね、栗本 薫。

怒りをこめてふりかえれ

「猫目石」後の栗本 薫。
これ、なんでかラストシーンだけしっていたのですが、こういう話だったのか。

薫くんの話すときの一人称が「おれ」になっていたり、けっこう気の弱い女の子に手を上げていたりして、ちょっと薫くんというキャラクターに、違和感が……。
まあ、薫くんも、年をとったということなんでしょうけどねぇ。

あと、けっこう中盤まで殺人事件もなにも起こらなくて、これはもしかして、推理小説じゃないのかもしれないと思ったりしました。ラストに伊集院大介が出てくるのはしっていたけど、まあ、友情出演的なものかなぁと思っていました。

えーと、途中、犯人側に女の影が見えるのですが、「あれ、女ってこの話に出て来たっけ?」と、みごと欺されました。というか、まったく、記憶に残っていなかったよ、その人状態でした。

これで、長編での栗本 薫の物語は、完結したかんじなのかなぁ。

公園通り探偵団

これ読んだことあると思っていたら、新潮社からでている「十二ヶ月」の1作ですね。
こういう、オーソドックスな短編を書かせると、栗本 薫は、絶品だと思います。
長編は、特にハードボイルドは、ラストがいまいちなのが多いからねぇ。

ぼくらの事情

ヤスとは出会ってるけど、信とは出会ってないよね?

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化物語3

どんでん返しの後に、もう1回あるどんでん返しが、ものすごく気持ちよくはまった感じです。
そういう意味では、推理小説っぽいかもと思ったりしました。

アニメ版もみたのですが、ほぼ同じ展開で、けっこう細かいとこも同じで、ということはこれって、けっこう原作通り?これを文字でどう表しているのかは、けっこう気になります。

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三幕の殺人 クリスティー文庫9

サタースウェイトって、どこかの本で出てきたような…。
え~と、ハーレークィンの本だったかな?
たしか、クィン氏がヒントを与えて、実際の探偵は、この人がしていたような……。

そうすると、これは、2人の探偵が顔を合わせるなかなか豪華なお話ということになるのかな。しかし、探偵の腕前の方は、「ぼくら」の栗本 薫と伊集院 大介ぐらい違います(笑)
恋愛がらみの事件なので、サタースウェイトの世界にポアロがやってきたという感じで、その辺りも、栗本 薫っぽいと思ったりしますが、多分、こっちが元なのもか。

なかなか、上手にだまされた。わたしは、まだまだ、推理小説を楽しめそうです。

アガサ・クリスティー,田村隆一Agatha Christie,なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?,アガサ・クリスティー,クリスティー文庫,トミー&タペンス,ハヤカワ文庫,推理小説,早川書房

なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? クリスティー文庫78

おぉ、けっこう騙された~。
途中、怪しいと思ったけど、はぐらかし方は巧いよなぁ。これは、何回か、クリスティーで経験しているのに、やっぱり引っかかっちゃう感じです。
推理小説としては、○ですね。

まぁ、主人公の2人が結局どうなるかとかのロマンス部分は、けっこうこれまで、クリスティーを読んでいる人には見えている展開でしたが。
でも、そこも、それなりにおもしろい。丁寧にかけています。キャラがたっている推理小説で、わたしにとっては、読みやすいです。
純粋に推理だけを楽しむというのは、無理な人なので。

この主人公の2人の感じって、トミー&タペンスの雰囲気があって好きなんでした。
ノンシリーズなのに人気なのは、そのあたりの華やかさもあるのかなぁと思います。

以下、ネタバレありです。