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彼氏彼女の事情15

ちょっと前までは、声出して笑って読んでいたコメディだと言うことが信じられないような展開ですね。

「今 傍にいなくていついるの?」

これは、有馬が、自分の本性が大好きな人にばれて、その人に怒りをぶつけてしまったときに、ぶつけられた雪野が言うんですよ。

この強さを持ちたいと切実に思います。

なんだか最近、わたしは、世の中のすべての悪いことは、「孤独感」が生み出しているような気がしています。
「孤独」を楽しむ強さ、自立心をもてればよいのですが、なんだか本当に、「孤立」しちゃって、それが悪いことにつながってるような気がしてしかたない。

もし、1番ひどい絶望を感じたとき、自分の闇に気づいてしまったときに、雪野みたいに言ってくれる人がいれば……。
それだけで、すごく、生きやすい世の中になるのにね。

そして、有馬の絶望感は、愛されなかったことではなくて……。そこまで、気づく雪野。
それは、やっぱり物語なのだけど、そういう物語は、とても大切にしていかないといけません。

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彼氏彼女の事情14

子どもは、頼るものがないので、虐待されても虐待されても、親に従おうとするのだそうです。
決して、親が悪いとは思いもせずに、

「自分が悪い子だから、罰をうけている」

と感じるのだそうです。

親が不幸なとき、その不幸を自分の所為だと、意識している子、また、無意識に感じている子は、とても多い。

子どもを幸せにしたかったら、やっぱり周りにいる大人が、しっかりと夢を持って、幸せな状態でなければなりません。

虐待は、有馬の中に闇をつくりました。雪野もまた、その闇と対峙しなければなりません。
多分、時間と仲間だけが、それを超えていくためのカギになるのだと思います。

じゃあ、浅葉の抱えている闇は、なんだろう?

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彼氏彼女の事情13

結局、彼氏彼女っていったって他人でしかないわけで、その事を思い知らされたときの孤独感は、もしかすると、1人でいたとき以上かもしれなかったりします。

好きだからこそ、好きな人には隠さなくてはならないなにかがあって、そして、そんなことも、好きな人は見抜いてしまう。
見抜いてしまえるのは、きっと、それだけ相手のことを想っていたから。

他人だから傷つける。でも、他人だから、もしかしたら、支え合えるのかもしれません。
でもまあ、それを乗り越えていく時期というのは辛そうだなぁ。と、あんまり恋愛にかかわりなく生きているわたしは、思った。

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彼氏彼女の事情12

表紙の人、てっきり真秀だと思ったら、違いますね。マーティンですね。
ビックリ。

顔のかき分けという部分では、多少、課題が残りますが(なんか、偉そうだ)、つばさが、フワッと花がひらくようにキレイになるところは、なかなか、印象的なシーンでした。
世界のなかで、そこだけが、くっきりと浮いて見える。

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彼氏彼女の事情11

関係性という話を前巻の感想で書いたとき、でも、このキャラだけはなぁ……と思ったのが、芝姫。
だって、別人やん(笑)

と思ったけれど、実はけっこう身近なキャラクターかもしれないとこの巻を読んで思ってしまったりしました。

深い。深いぞ津田雅美。