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優しい妖魔

黄泉の向こう岸 最終戦争シリーズ9

黄泉の向こう岸

死んだ後の話だから、「黄泉の向こう岸」。
この題名のセンスは、やっぱり凄いと思います。この巻には、もう1つ、山田 ミネコ天才と思わせる題名がありますが。

これが、ラスボス黄泉の王の初登場かな。そして、多分これが、峡たちスリープウォーカーが海王星で発見した邪悪なものの正体。凄いそうだいな伏線だなぁとつくづく感心します。
話自体も壮大で、この1話で、2000年以上の時間がたっていて、そして、合歓はずっと生き続けている。

もしここで、永都が死ぬことなく目覚めたら、未来は大分人間有利になっていたのかなぁとか考えるとおもしろいです。

誰かが街を見ている

タオ&七海のロボット組が合流。
七海はこの後、けっこう活躍の場はあるけれど、タオの方は可哀想な感じ。ましてや、御薗さんは……。

七時の鐘

けっこう便利だった西の22の最後です。
鐘が鳴りながら、西の22が沈んで行くところは、けっこう好きです。このシーンがあって、この話が出来たのかなぁと感じさせられます。

そして、「最終戦争」のセオと凍河のその後が語られます。

木は花の天使のオレンジ

この題名が、最終戦争シリーズのなかでも、特別に好きです。
ものすごい意味わかんない凄い題名。しかも、オレンジのにおいって出てくるのだけど、それも実はキンモクセイのにおいのことで、そこも意味分かんなくてでも好きです。

唯の子ども時代の話で、目が大きくて可愛いです。

そして、しっかりと「西の22」につながっているというのにわたしが気づくのは、何度も読み返した後でした。

ベルテーンの魔女

妖魔ととりつかれた人間の意識がどうなっているかというのは、けっこう、謎が多い部分です。
笑さんや、春車は、完全に人間の意識の方が勝っている感じです。グリンダの場合は、意識が完全に分かれている感じがします。そして、唱の場合は?ハヌマンに好意を持っているのは、妖魔の方の唱のような感じもします。まあ、混ざっている感じもありますが。

緑の丘の白い家

基本、妖魔の人格の名前と人間の人格の名前が同じだから、混乱が起きるんですよねぇ。
この話みたいに、名前も違っていたら、わかりやすい。

ただ、あまりにも長い時間、同じ体の中ですごしていると、だんだん、混ざってわからなくなっていくのかもしれません。

夢のかけら 記憶の海

最初読んだとき、けっこう、オチがない感じで、なんじゃこりゃと思ったのです。
でも、多分、その夢みたいなイメージこそが、唯が大事にしている曖昧模糊とした記憶そのものなんだろうなぁと思うと、切ない。

そして、段々とわたし自身の自分の記憶も、そんな感じになってきているのに気づいて、さらに切ないです。


本当の始まり

秋津島大和 最終戦争シリーズ8

前巻で、小角が主人公のパトロールシリーズが、終了。
ここからは、「最終戦争伝説」シリーズ、通称「ドン伝」になります。

秋津島大和編

今までのシリーズが、どんどんここに集約されていく感じが面白い「秋津島大和」編です。
わたしの場合は、何回も書いているように秋田書店版の「最終戦争シリーズ」から入ったので読んだのは、「十蘭」、「峡」、「風の智天使」の後ということで、あんまりそのあたりは良くわからなかったのですが。
これ、白泉社版「最終戦争シリーズ」から読み出した人にとっては、けっこう、テンションあがる展開だったのではないかと思います。

わたしは、これを読んでずっと、「西の22」とかを読みたくて読みたくて、しかたなかったのです。

でも、タイムマシンもある世界で、永都のあの強引なよびだし方というのは、凄いと思います。
そして、このラストも好きです。

奇妙月異常曜日

まあ、遺伝子的なことというのは、普通に気にされているほど気にしなくてもいいようですよ。
でも、そのあたりはちょっときついめのタブーがなければ、社会としての広がりがなくなってしまうので、その戒めの意味もあるみたいです。少なくとも、何代も続かなければそれほど問題になることはないようです。

花咲月蘭曜日

山田 ミネコさんのかく妖魔は、悪ではなくて、異質なんですよねぇ。
でも、異質すぎて一緒に存在することは出来ない。

そうすると、一方にとって一方が、排除しなければならないものになってしまう。
そんな気がします。

今は、美人に成長したジャッカルと大車の話。
そして、人間に味方してくれることもある精霊達が、けっして、高潔でもないという。風々の方が人間に接している分優しい。まあでも、風々も、元々人間を喰っている妖怪だった気がしますが。

多分、純粋であるというのは、人間の価値観でははかれないことでもあるのだと思います。


左手で右目をかくす

最終戦争 最終戦争シリーズ3

最終戦争

「最終戦争シリーズ」をちゃんと読み始めようと思ったのは、秋田書店版の「ハルマゲドンシリーズ」でした。
その当時はたしか、朝日ソノラマの「最終戦争伝説」も並んでいて、どっちを買ったらいいのか悩んだような記憶があります。
題名同じだし(秋田版も「最終戦争伝説」が出ていた)、巻数が多いので、こっちだなと思って、兵庫県の社町にあるナイル書店で買った覚えがあります。大学時代。その頃は、兵庫県に住んでいました。
噂によると、ナイル書房は今はないそうですが……。まだ、ナイル書店のマンガコーナーが地下になっていなかった頃のお話です。

秋田書店版の「最終戦争シリーズ」は、なぜか、当初、主人公の名前で題名を統一しようとしていたようで、1巻目「十蘭」、2巻目「峡」でした。この2つの名前は、確かに雰囲気あるなぁと思います。で、次が「真紗留」で、次が「永都」となる予定だったとか。うーん、それでも悪くなかったとは思うのですが、そうするとその続きは、「小角」になっていたのかなぁとか。

この「十蘭」を読むことで、かなり「最終戦争シリーズ」の全貌を知ることになるわけですが、それでも、不思議に思ったわけです。
それは、ここに「最終戦争」というお話の最初になるような話があるのに、花とゆめコミックスには、それより前にかかれた本があるということです。

じゃあ、それより前にかかれた話は、「最終戦争シリーズ」だけど、「最終戦争」についてはかかれていなかったのか??
いやいや、そんなことないだろう。きっと、花とゆめコミックスでも、この話が最初に違いない……。
この話だけ、ないとこまるので古いシリーズの中から持ってきたのか??

とか思っていました。

でも、この文庫本を読んだり、いろいろ調べたりして、この「最終戦争」という話は、花とゆめコミックスの後にかかれた話だということがわかりました。
「十蘭」、「峡」は、どちらも、白泉社の花とゆめコミックスではなくて、東京三世社からでた「最終戦争」と「雲中飛行」から再録したものなのでした。

ということで、わたしが読んだ「最終戦争」は、この「十蘭」の中の1編としてでした。

この最初の

「世界は半分になったか?」

というのにシビれました。
その後、画集を購入して(これもナイル書房で買った記憶が)、カラーで見た時、またシビれたのですが。

まあ、当時、大学生でしたので、丁度、中二病のツボにはまったんですね(笑)いや、今でもかっこいいと思っていますけどね。

読んだ当時は、世紀末のムード満点な時期でしたが、これがかかれたのは、それよりももっと前です。世紀末の荒廃したビジョンというのは、大概、核戦争が多かった気がしますが、このマンガでは地殻変動装置メビウスです。そういえば、バイオレンスジャックも、大地震です。
核戦争の前のイメージは、地震だったのかもしれません。

雲上飛行

メインは「雲中飛行」で、この「雲上飛行」と「着地」は、後から、秋田書店のプリンセス・コミックスになった時の書き下ろしのようです。

なぜか、この一連のお話は、ものすごく好きです。

雲中飛行

カトマンズの生神が出てくるのは、これが最初なのかな。
今調べてみると、どうやら、この頃には、「ドン伝」がすでに始まっているから、そっちが先かもしれません。

パターン的には、「西の22」と同じ感じでお話が展開していって、でも、こっちはハッピーエンド。

しかし、スリープウォーカーの持ち帰った資料は、一切やくにたたなかったというものすごい皮肉。
こういうあたりが、凄いなぁと思います。

着陸

この3部作が好きな1番の理由は、この話かもと思います。

このとぼけたラスト。生神という存在を活かしきっていると思います。
その後、彼らは生きて、そして、物語にはでてこない。
とっても、潔い。

今、ネパールは大変な事になっています。
でも、それを乗り越えて、未来に残る都市であると信じています。

土曜の夜

このパトロールは、小角ですよねぇ。
珍しく、1人でタイムパトロールの仕事をしています。
まだ、時間移民の前かな?

いや、明確に妖魔のことを知っているので、やっぱり、移民後か。

移民後なら、この仕事、星野が勲と知り合いということもあり、適任の様な気がするのですが。
まあ、移民後、いつの時代の小角なのかというのはわからないので、もしかして、タイムパトロールとして、1人で活動していた時代というのがあるのかもしれません。

と、そういうことを考えるのが、楽しい。

メランコリー・ブルー

この恐ろしいのだけれど、どこか、底抜けに明るく、幻想的な魔女のイメージが、好きです。

男性がかくときっと、怖いだけの吸血鬼的な存在になると思うのですが、そこに、ハチャメチャなイメージがついてきて、明るい話なのか暗い話なのか、悲劇なのかコメディなのかもわからなくしてしまう。

そうして、全部の飲み込んでしまう感じが、デーヴァダッタなんだなぁと。

あと、人間は自分の知っている範囲で、判断するしかないというところも、実はすごい突き放しているところなんだけど、好きです。

ダグラス君シリーズ

これが実は、2人組のパトロール、星野と小角の最期だったりして。

そういうことも起こりうる世界ですよねぇ。

ファーストコンタクト

書き下ろしというか、新作があるのはとてもうれしいのです。
が、この文庫で、順番に「最終戦争シリーズ」を知っていこうと思っている人にとっては、ここでこの話が出てくるのは、なにがなんだかですよねぇ。
小角が、時間移民した後の話ですから。

しかし、妖怪と妖魔って、けっこう知り合いだったりするのかと思っていたのですが、そうでもないこともあるようで、妖怪と精霊たちというのも、けっこう、層が違うようです。