<銀の匙>の国語授業
100歳の授業。
どんなんだろうなぁと思います。
その100年を本当に、好きに生きてきたんだなぁということがよく分かります。
でも、教え子が自分より先に亡くなっていくというのは、けっこうたまらなくさびしいものがあるよなぁと思います。
そして、今も昔も変わらず、マスコミは、はじめから自分で決めたストーリーで報道するというのがよくわかる一冊だ。
人間、自分の大好きなことをして一生過ごせれば、それが1番です。
そういう人生を過ごすために、がんばろう。
先が読めちゃう話であるのですが、なかなか気持ちいい話でもあります。
多分、ナルニアって、それぞれの話に元になる聖書のエピソードがあるのだと思うのですが、これの元ネタは、今のところわからないです。
ヨブ記?ちょっと違う気がします。
どっちかというと、新約聖書の何かかな?
ほんのちょっとだけ、子どもにはわからないことを混ぜておくこの人の書き方は、けっこう好きかも。
この巻も、なんかワン・アイデアで、話を作っている感じです。
そして、典型的な、貴種流離譚。
ちょっとは、今までよりは、派手にはなっているのかな。
世代交代が、微妙にできていない感じが……。
ゲド戦記は、もしかするとこれから後の作品の方が、ル・グウィンの考え方も変わってきて面白いのかも。
この着地の仕方は、わたしには想像できなかったです。
でも、作者は、物語に、登場人物に、ものすごく誠実に寄り添った結果、こうなったんだということがわかります。
最後のオチと、時代が、ぴったりはまるということは、これ、作者のはじめからの「読み」通りだったのでしょうか?
そうすると、時間をものすごくおいてこの4部を出したことさえ、計算だったのかも。
納得いくかどうかはともかく、圧巻でした。
そして、これは、子どもには読ませられんと思った。
……まぁ、もともと駆け落ちの話なんですけどね。
すごいことになってます。
もはや、児童文学ではないです。この成長の仕方は、ハリー・ポッターといい勝負。
一気に読むシリーズではなくて、特にこの第4部は、大人になって読むもんだと思います。
どうしようもないことを包み隠さず書いている感じ。
今までは、クリスチナは感情に流されながらも正しいことを選択できていました。でも、それができなくなった時……。
どこに着地するのか?目が離せないです。