武内涼,読書ホラー,妖怪,山田 風太郎,甲賀忍法帖,角川ホラー文庫,角川書店

忍びの森

初、武内 涼です。
あらすじをよんでいる限りでは、おもしろそうなんだわ。しかし、山田 風太郎が読みたいと思って読み進めると、ものすごいミスリードされて肩透かしを食らいます。まあ、これは、この本が「ホラー文庫」から出ていることを考慮しなかったわたしが悪いのかもしれません。

東亰異聞」の感想でも書いたけれど、2つのジャンルのおいしいとこどりをしようとして両方活かし切れなかったり、片っ方を期待した読者から失望されるというのは、割とよくあることではないかと思います。「東亰異聞」のように、あれだけケンカするジャンルを見事にくっつけたのは、なかなかないです。
今回は、「忍者」と「ホラー」。「ホラー」というよりは、妖怪退治になるのかなぁと思いますが。で、わたしは、あきらかに「忍者」よりで読んでました。作者的にも、ミスリードしてビックリさせたいというのはあったのかな。いや、もともと、そんな意識はなくて、勝手にミスリードされただけかもしれませんが。

で、閉ざされた森の中で起こる怪異も、絶対なんだかの敵の忍術的なものだと思って、けっこうワクワクしていたら……。妖怪。なんじゃそら!!
いや、わたし、妖怪すごく好きですよ。でもこれ、今まで積み上げてきたものが崩れてないか?
これが、物語の最初で示されたのなら、けっこうノレたかもしれないのですが、、半分過ぎた頃って遅すぎないか?そして、そこでも「甲賀忍法帖」のパロディやってて、また、若干のミスリードするし。

「やられた」「上手く、欺された」というよりも、「えー、期待していたのと違う」という印象が強かったのです。

まあ、最後まで読めたし、つまんなくはないんですが、だから、ちょっと評価は保留な感じです。

そっちよりの人なんだと思って、次回作を読んでみて、読み続けるかどうか決めよう……。と思って、「そっちより」と思って読むとまた、欺されたりして。

柴田ヨクサル,読書イブニングKC,妖怪,妖怪番長,柴田 ヨクサル,講談社,

カイテンワン1

「妖怪番長」の5年後。
主人公変えて仕切り直ししようとしているはずだけれど、前作の3人が濃すぎる感じがちょっとします。

まあ、それはそれで、勢いがあっておもしろい。

「星組」が、集団で戦っていくのかどうかというのも、ちょっと気になるところです。

漆原友紀,読書アフタヌーンコミックス,妖怪,漆原 友紀,蟲師,講談社,

蟲師1

虫ではなくて、蟲というのが、なんというかワサワサしていて気持ち悪い感じでいいですね。
まあ、「蟲」から、もっと生理的な嫌悪感があるもののお話かと思っていたけれど、どっちかというと妖怪譚な感じでした。

「旅をする沼」が、すごく好きです。

柳田國男,読書南方 熊楠,妖怪,妖怪談義,怪談,柳田 国男,角川ソフィア文庫,角川学芸出版,

妖怪談義 新訂

柳田 国男と南方 熊楠の論争。
ものすごーく、枝葉のところで論争はしているけど、実は言っていることは同じことではないのか?なんか、同じ現象の見方だけが違うというか、ただ単に言葉の定義の問題ではと思えてきて楽しい。

この手のお話って、放っておくとすぐに変化して、消えていってしまうので、時代、時代に定点観測する人が必要なんだなぁと思います。

篠田耕一,読書妖怪,幻想世界の住人たち,新紀元文庫,新紀元社,篠田 耕一,,Truth In Fantasy

幻想世界の住人たち3 中国編 Truth In Fantasy

主に、中国妖怪を紹介する3巻目。
漢字が象形文字で、表語文字だということと、中国妖怪のイメージって、やっぱり結びついているんだろうなぁと思います。

はじめは、音だけの妖怪でも、多分、名前をつけてそこに漢字をつけたことで新たな意味が付加されていったということはあるみたいです。