夢の碑一覧

それをかく鬼とはいふなりけり

伊勢物語

子どもの頃から、鬼の出てくるお話が好きでした。

そして、その鬼を意識したのが、木原 敏江の「夢の碑」でした。
意識して鬼を追いかけ始めてから出会ったのが、馬場 あき子の「鬼の研究」です。わたしは、それまで(そして今でも)、物語の世界が大好きで、物語で泣いたりしたことはあったのですが、はじめて物語の形をしていないものでも、感動するのだなぁと知った作品でした。
そして、その「鬼の研究」のなかで、1番印象に残っていた話が、この「伊勢物語」のなかのエピソードでした。

そのエピソードが、このマンガの1話目になっていて、なんか、木原 敏江からはじまって深まっていったものが、また、一周して戻ってきたようで、なんだか不思議な感じがします。

そして、よかった。


異類婚

幻仔譚じゃのめ1

最近妖怪が好きなんです……昔からか。

異類婚のお話って、昔からなんか惹かれるのです。木原 敏江の「夢の碑」も、大好きなお話の1つです。

ということで、ちょと手を広げてみます。週刊少年チャンピオン系の妖怪ものです。もう、連載終わってしまってる見たいですけど……。
「妖艶もののけバトル」なんてかいてますが、妖艶さは、あんまりないです。


蓼食う虫も好きすぎ

銀河荘なの!

吸血鬼もの。
お耽美系ということで、ポーの一族とか、そんなのが流行っていたのかなぁと思わせられます。

時代は感じるのですが、でも、これも木原 敏江がずっとかいてきた異類との恋のお話だなぁと思いました。これが、「夢の碑」のなかに入っていても、まあ、そんなにおかしいこともない気がします。

でも、本当に、木原 敏江は、わたしの琴線に触れます。なんでかよくわからないのだけれど。


軽やかに 弥栄

ふるふる

この最近の木原 敏江の軽やかさはなんだろうと思います。
最近といっても、わたしが認識しているところでは、「夢の碑」の「鵺」あたりからだと思うのですが。

もともと、罪を憎んで人を憎まずで、悪人ですら魅力的な傾向は、確かにあったと思います。

でも、本当に、悲劇も喜劇も、全部軽やかに物語ってしまうすごさが、今の木原 敏江にはあると思います。

もう本当に、俳優たちはすっかりできあがっていて、あとはどんな配役をしていくかという楽しみながら演劇を作っていくようなそんな感じすらします。

どんどん、悪くなる世の中かもしれないけれど、こんな風に渡っていければ、悪くないのかも。

日本語って素敵です。いい言葉を使わないとね。


絶望のなかの不思議な明るさ

杖と翼5

「夢の碑」の「鵺」あたりからだと思うのですが、この人の書く話が、めちゃくちゃ暗いはずなのに、なぜか、サラッとした印象になりました。

そこには、妄執や、いろいろな負の感情がかかれているのですが、それさえ全部ひっくるめて、不思議な明るさがでています。

それは、包容力といいかえても、いいのかもしれません。

悪いやつ、絶対の悪というのはある。
でも、それが、絶対の悪なのは、それがそれである限りしかたない。
だから、それすらも、認めてうけいれていこう。

うーん、言葉にするとなんか嘘くさいですが、そういう感じがするんですね。
この物語も、そうです。

かかれている事件そのもの、時代そのものは、とても血なまぐさいものですが、それでも、人間は、元気に生きている。
良いか、悪いかはわからないけど、元気に生きています。