わたしはあい2
完結編の3巻が出たので、あわてて2巻目を読んでいます。
展開的には、のんびりした感じで、あと1巻でどうやってまとめるんだろうと思いますね。
世界が、ロボットにとってもや優しいものであったららば、人間にとっては、もっと住みやすいものだろうなぁと思います。
ただ、あんまりにも人にとって気持ちのいい機械は、「チョピッツ」みたいに、人と人の結びつきを切ってしまう可能性もあるのですが……。
さて、この「あい」は、どこへ行くのでしょう?
主人公が、けっこうダメダメちゃんで、脇に天才的な人が配置されているので、この主人公っていったい……と思っていました。
「根っからの臨床医」。現場の人間であるということが、この主人公を形作ってるもののようです。
今までの物語だと、「臨床医」であることと「研究医」であることは、けっこう対立的にかかれていたのかなぁと思いますが、今回は、そのあたりのことも、すごく、平等にかかれていくようです。
でも、自分の身近な人が、次々に病に冒されていくというこの物語は、ものすごくきつい。きつすぎる感じがします。
SFや思想に逃げる様子もないようですし、ここからいったい、どんな、物語を見せようとしているのでしょうか。
選択というのは、これぐらい難しくて、苦い物なのだということを、「いいひと。」にも、知ってもらいたいもんだ。
というわけで、琉伽夏完結です。
甘くて苦い不思議なテイストに仕上がりました。
最近の外薗作品は、ラスト、ものすごくつっぱしっていく印象が強かったのですが、この作品は、少し前のこの人の物語の終わり方を彷彿させます。
「全てお前にまかせる」
と言われて、今までは考えなしに動いていたのに、1番困ったのは、主人公自身だっただろうなぁと思います。
そして、それを越えて、
「わかった!あとはまかせろ!!」
のセリフ。
最後のオチは、なくてもよかったかなぁとも思うのですが、それが真実なのではなくって、彼自身が、そう信じて救われ勝ったのかもしれません。そう考えたら、あれは、あれでよかったのかな。
もしあのとき……。