双葉社一覧

夕凪の止む頃

夕凪の街 桜の国

戦後の広島のお話。
まあ、絵柄が醸し出す物もあるせいだとは思いますが、どこか、すずさんを思わせる人たちです。

さりげない日常の中に、フッと絶望は入り込む。
多分、それが戦争。いや、それは戦争だけに限らないことなのかもしれません。


なくした右手がつくりだすもの

この世界の片隅で 下

原作を読む前に、映画を2回見てきました。
もちろん、ものすごく良かったというのもあるのですが、最後の右手の意味はなんだったんだろうというのが、ものすごく気になったからでもあります。最初、ホラーかと思った。

それは、映画のラストの歌が「みぎてのうた」であることや、この原作を読むことで、腑に落ちました。

今まで、ずっといろんなことをしてきて、いろいろなものを生みだしてきた右手は、なくなった後も、物語を紡ぎ続けていた。過去の物語も、未来の物語も。
1つは、りんさんの生い立ちという過去の物語だし、もう1つは、母親を亡くして北條家に来た女の子の話でもある。さらには、鬼いチャンが人買いになる話も含まれている。もっといえば、「この世界の片隅で」という物語全体すら、その右手が語った物語だといえると思ったりしました。
もしかしたら、全ては、ただのすずさんの妄想なのかもしれない。でも、それは世界を変化させていく力を持っているのかもしれない。
そう思って見たとき、ものすごく唐突に見えるさぎのエピソードも、実は、見えていたのはすずさんだけなんじゃないかと思えてきたりします。あの絵、さぎの部分だけなんか浮いている感じがするんですよねぇ。

最後の「しあわせの手紙」は、「みぎてのうた」の元になったものです。
こっちの方が、長くて詳しい分、ドキッとする表現も多いのですが、好きです。
読むたびに、うなずきながら、そういうふうに生きられたらなあと思います。


過ぎた事 選ばんかった道

この世界の片隅で 中

映画版の方が、まとまっていて見やすいのですが、コミックス版は仕掛けがいっぱいで面白いです。第20回のコマ割りとか、第23回のカルタとか。
というか、このコミックス版の仕掛けをよくぞまあ、あの映画版の形に読み替えたなぁと思います。

2巻目は、映画ではバッサリと切られたリンさんのエピソードです。
水原さんの話とリンさんの話があって、まぁ、割り切れなさのバランスがとってあると思うのですが、まあしかたないかなぁ。なんかでも、噂によると、もう少し付け足した映画も作られるかもしれないということで、楽しみにしておこう。
特にこの巻ラストの花見のエピソードは、映画でも見てみたいです。
やっぱり、映画になって音が入ったときに、それぞれのもつしゃべり方が、すっと入ってくるところは素敵だなあと思います。もちろん、マンガの中でもその感じは伝わるようにかかれてはいるんですけどね。それでも、あぁ、こういうしゃべり方をするんだというのは、凄い力です。

のんのしゃべり方はもちろんなんですが、わたしは、おねえさんのしゃべり方も好きですねぇ。

「ほんでわたしのかね!!」

とかね。これは、映画でもあったかな。かなり記憶が怪しくなっていますが(笑)今のわたしには、あの声としゃべり方で、再生されます。
映画が、どこかを削らなければならないとなったときに、おねえさんとすずさんに焦点をあててかいたのは、すごく正しいと思います。


今日も夢はもつれ

この世界の片隅で 上

なんともいえない絵に惹かれて映画を見に行ったのですが、これが、メチャクチャ良かったです。
ラストシーンの意味が、わからなくて、2回目見に行きました。2回目も、いろいろ発見することがあって面白かったです。なんか、わりと淡々としたお話なのですが、何回見ても飽きない不思議が雰囲気があります。

原作のこうの 史代のマンガは、文庫で何冊か持っていたのですが、まだ未読でした。てっきり、「この世界の片隅に」も文庫で持っていると思っていたのですが、まだ、文庫化はされていなくて、3冊購入しました。
今、1巻ずつ、ゆっくりと読んでいるところです。

で、先に映画の方の感想ですが、今年は、けっこういい映画が多かったのですが、最後の最後に見に行った「この世界の片隅に」が、最高傑作でした。
「君の名は。」もそれなりに良かったし、「聲の形」も傑作だと思ったのですが、「この世界の片隅に」は、凄いです。
他にも、いつものマーベルのアメコミ映画も面白かったし、「ゴジラ」も良かっし、「ちはやふる」も素敵だったのですが、それが全部吹っ飛ぶぐらいの出来でした。

初め見た印象は、どこか「最終兵器彼女」だったのですよ。すずさんから見た戦争が、ちせから見た戦争みたいな。すずさんフィルターを通して見た戦争っていう感じがしていました。すずさんが、人一倍、空想癖がある少女としてかかれていたので余計に。
でもねぇ、これが、それだけで終わる話ではなく。

原作の1話1話の最後にオチがつくお話の作り方も好きなのですが、映画の流れていくような物語運びも凄く良いです。原作の方が、長い分、映画で語られなかったお話が詳しく入っていていいのですが、あぁ、この部分も、映画のリズムで見たかったなぁという気がします。
基本、わたしは原作好きなことが多いので、けっこうこういう感想は珍しいかな。
映画はなんだか、高畑 勲監督の匂いもする気がしました。でも、高畑さんほど、理屈っぽくない感じがするんですよねぇ。

あと、この話が、けっこう色っぽい話なところも好きです。
多分、これから何回も、この映画見ることになるだろうなぁと思っています。

コミックスを読んで気がついたのは、最初の子ども時代のエピソードは、「この世界の片隅に」ではなくて、読み切りのエピソードだったのねということ。なるほど。でも、映画ではものすごくきれいにその伏線を回収していました。あれは、原作通りなのかな。


歩いていく道

古都こと チヒロのこと 3

「古都こと」3巻目。
学祭の奇跡(笑)

素直なことは強さ。
一緒にいれば、今まで以上に少しずつ強くなれる。
きっと。