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晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ(出張編)

本屋舞台のミステリー、第2弾1にして初長編です。

面白くないことはないし、ミステリーとして無理もしてないし、ひかれるものはあるのだけれど、なんか、手放しに好きとはいえないんですよねぇ。
なんでかなぁ。

まぁ、ミステリー自体、ものすごく好きなジャンルというわけではないのですが。それでも、もちろん嫌っているわけではないし、この物語の舞台そのものである書店には、すごく好きなんだけどなぁ。
なんとなくながれるやおいのにおいも、わたしは基本気にならない人間だしなぁ……。
なのに、なぜ?

多分、大崎 梢の本の読み方は、わたしの読み方と違うんだろうなぁ。どこか、わからないけど。
そして、桜庭 一樹の本の読み方には、ものすごくあこがれます。

  1. わたしが読んだのが2冊目というだけかも。 []

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額の宝石 ルーンの杖秘録1

再読です。

ムアコックのヒロイック・ファンタジー・シリーズは、永遠のチャンピオンという大きい物語のなかに位置づけられています。
その中核をなすのが、エルリック、エレコーゼ、コルム、ホークムーンの4人です。
まあ、この前読んだフォン・ベックも、永遠のチャンピオンの1人みたいですが、あれは、多分、ヒロイック・ファンタジーじゃない……のかな?

で、わたしがこの4つのヒロイック・ファンタジーの中で、一番最後に読んだのがこのホークムーンのシリーズです。

実は、昔は、このシリーズ、あんまり好きではなかったのです。

ホークムーンの話は、「ルーンの杖秘録」と「ブラス城年代記」と前期と後期にわかれていて、後期のお話は、すべての永遠のチャンピオンの大団円になる派手な展開で好きだったのですが、こっちは、ねぇ。

多分、理由は、ファンタジー色が少ないこと、現実っぽいのにマンガ的(敵が、動物の仮面かぶってたり)なとこ、主人公のキャラに、パッとした特徴がないことなんかがあげられると思います。
要するに、地味なんです。

それまでに読んだのムアコックのヒーローは、ものすごく身体的にも特徴があってとんがってた。

まあ、今思えば、エレコーゼも、大した特徴がない気がしますが、あれは、お話自体がブッ飛んでいました。

で、今読み返してみると、この話、結構、深い。
派手な展開が無い分、キャラクターの内面を掘り下げて書こうとしているのが、よくわかって、ちょっと見直しました。

ムアコックは、段々と哲学的な方にいって、わけがわかんなくなっていくのですが、このシリーズは、もしかすると、エンターテイメントからちょっとそっちの方に移ったときのものなのかもしれません。
で、そのエンターテイメントと内面的なバランスが、けっこう、いい感じです。

昔ダメだったものでも、読み返すといろいろ発見があっておもしろいです。

マイケル・ムアコック,Michael Moorecock,
深町 眞理子
東京創元社
発売日:2006-06-27
 

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千年の黙 異本源氏物語

「源氏物語」をはじめて読んだのは、高校1年のときです。なんで、時期まではっきり覚えているかというと、夏休みに勉強の合宿があって、そのときに渡された本が、「源氏物語」の現代語訳の抄本だったのです。
で、あんまり、いい印象がなかった。主人公が、好きじゃなかったですからねぇ。昔から、意味もなくもてる男には、反感が(笑)まぁでも、女の子のキャラがたっているのは、とても印象的でした。

で、その後、大学の古典で「源氏物語」を勉強する様になって、その前後で、「あさきゆめみし」を読んだら、けっこうおもしろくて、しかも、古典の授業が、今までになく良くわかる(笑)ということがあって、何回か、自分のなかで「源氏物語」ブームがおきて、現在にいたります。

ということで、この「千年の黙」も、去年読んでいた井沢 元彦の「GEN 『源氏物語』秘録」も、そういう自分のなかの「源氏物語」マニアな部分で読んでいる1冊です。

今回の「千年の黙」は、現代から「源氏物語」の成立を推理していくお話ではなくて、「源氏物語」が書かれた時代そのものを舞台として、どうしてそれが、その時代すでに、今の様なかたちになったのかという謎に迫っていきます。
それも、名探偵・紫式部が(笑)
これは、けっこう、惹かれるシチュエーションでした。

3つのお話ができていて、1話は、「枕草子」にも書いてある猫騒動のお話。2話目、3話目が、源氏物語の成立についてのお話です。
マニアとしては、2話目、3話目が、刺激的で好きです。雰囲気は、1話目がいい感じです。

読む前は、もっと軽いお話を想像していたのですが、けっこう読むのに時間がかかりました。
でも、この人の人物評価は、けっこう、わたしには納得のいくものでした。

そう、やっぱり、そんな大往生は、ゆるされないですよねぇ。

あと、これを読んでいて思ったのは、なんか、「源氏物語」の成立…というか、書かれ方とか、読まれ方って、今の同人誌とかともしかしたらよく似ているのかも……と思った。

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配達あかずきん 成風堂書店事件メモ

本屋さんでおこる事件を、書店員が解決するというお話です。
本屋さんにあこがれているわたしとしては、けっこう、興味深いお話です。謎解きも、本に関することが絡んでいて、読んでいて楽しいです。

ただし、この人、人物は、けっこう薄っぺらいかも。

特に男。
イケメンなホスト顔は、かっこよく正義の味方で、みんなからも一目置かれていて、オタクな青年は、怪しくていやなやつです。
まあ、現実に接している人間が、そうなのかもしれないけれど。
まあ、自分がどっちに属しているかを考えると、気分はよくねぇわなぁ(笑)

あと、書店はよく利用しますが、書店の人と友だちになったことは、子どもの時以外ありません。
まあ、よく顔を見る人とかはわかりますが、会話とかは、あんまりかわしたことはないですねぇ。

けっこう、お客さんのことをよく知っているという話が多いのですが、そんなことって、けっこうあるものなのかな??
うーん、自分が社交的でないので、そのへんのリアルさは、わからないです。

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ラヴクラフト全集 別巻 下

これで、ラヴクラフト全集は、終了です。
途中から(たしか2巻から)、編集方針が変わったりして、若干、全体を見まわしたときに、まとまりが悪いところもあるのですが。まあ、いいか、マニアではないので(笑)

えーと、この別巻は、上下巻ということで、2巻続けて読んでいたのですが、ちょっとつらかったです。
ホラーって、ちょこちょこと短編を読む分には嫌いではないのですが、こう同じトーンの話が連続で続くとねぇ。ということで、下巻は、かなりいい加減なとばし読みでした。

ハワード・フィリップス・ラヴクラフト,Howard Phillips Lovecraft
大瀧 啓裕
東京創元社
発売日:2007-12