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落窪物語 マンガ日本の古典2

世界最古のシンデレラ物語だそうです。
まあでも、昔話とかと違って、妙にリアルな人物造形とかがあいまって、なかなか、底意地の悪い話だなぁと。

なんというか、ここまでするかというほどの復讐の悪意がなぁ。復讐する相手だけではなくて、別に罪のない人まで巻き込んでいく。でも、素敵って思われていたのかなぁ。

そして、ひたすら従順な姫様。がんばっているのは、主に阿漕です。
うーん。いいのか、この人これで。

ちなみに、花村 えい子のマンガは、今回初めて読みました。昭和33年からかいている人だそうで、やっぱり、この時代の人って元気だ。

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古事記 マンガ日本の古典1

けっこう一気に買ったシリーズです。
わたし世代向け(実はもうちょっと上の世代か)のマンガ家さんたちがオンパレードなシリーズです。

けっこう、自由にかいてます。ちょっとSF入ってる感じ。でも、なんかちょっと読みにくかったです。なんでかなぁ。「古事記」という素材そのものは面白いと思うのですが。

ウミヒコ・ヤマヒコの話で終わっていますが、この後も、ヤマトタケルの話とかは、物語として凄く好きです。

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キャンディ♡キャンディ1

まずは、小学生時代のアニメの大流行です。
どれぐらい流行ったかというと、その頃は、少女マンガにはまったく興味が無かった小学生のわたしが、今でも歌を全部歌えるぐらい(わかりにくい例え)。いや、同世代の人なら、8割以上は歌えるのではないかと思います。
そして、高校時代にも、なぜか、女子の間でまわし読みがされていました。大学時代にも見かけた。それぐらい、わたしたちの世代にとっては、凄い本です。

なんか、原作者とマンガ家がケンカして、出版できないとかいう情報が流れながらも、生き続けて読まれ続けてきたマンガです。

今、そのあたりはどうなったのかはわからないのですが、名作なので、ちゃんと購入できるカタチになっているといいなぁと思います。

荻原規子,読書これは王国のかぎ,リアル,中公文庫,中央公論新社,樹上のゆりかご,荻原 規子,

樹上のゆりかご

読みながら感じていたのは、やっぱり、上田ひろみシリーズ独特の生臭い感じ。
生臭いというとあんまりな表現ですね。なんというか、この人の他の作品とはちょっと違うリアルな感じといってもいいと思います。

前作の「これは王国のかぎ」は、不思議が物語の真ん中にある話なので、それでも、そんなに感じなかったのですが、今回は、不思議がないということで、よけいにそう思うのかもしれません。
それでも、これは「これは王国のかぎ」の続編であるというところは、すごい。

伝統か革命のどっちを選ぶか、みたいな話で、多分、もっと幼い頃に読んだら、あきらかに有理の肩をもっていたと思います。

ひろみが、伝統の側に自分を置くのは、多分、自分たちが恵まれているからだろうなぁと思います。そして、そのこと自体も理解して、それでも、そっちに自分を置く覚悟を決めている。
有理は、人からなんと言われようと、見られようと、やっぱり自分が欲しいものを手に入れられないという思いがものすごく強いのだろうなぁと思います。

村上春樹,読書わたせ せいぞう,カンガルー通信,ハードボイルド,中公文庫,中国行きのスロウ・ボート,古川 日出男,大塚 英志,村上 春樹,片岡 義男,貧乏な叔母さんの話

中国行きのスロウ・ボート

もともと、村上 春樹を読む気はあんまりなかった。
たしか、まだ大学生ぐらいだった頃に「風の歌を聴け」を読んで、まったくピンとこなかったというか、まったくストーリーも、登場人物も、読んだ後に残らないというすごい経験をして以来、まあ、わたしには関係のない作家なんだと思ってきた。
それは、「ノルウェイの森」でベストセラー作家になった後も一緒で、まあときどき大塚 英志とかが紹介しているので、「読む?」とちょっと目に入ってきたりしていたのだが、珍しく買うまところのまでいかなかった。

今回、もう1回、村上 春樹を読んでみよう。それも、「ノルウェイの森」でもなく、「ダンス・ダンス・ダンス」でもなく、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」でもなく、この「中国行きスロウボート」という短編集を読んでみようと思ったのは、古川 日出男の「二〇〇二年のスロウボート」を読むための知識として、これを読んでおかないといけないような気がしたから。

そして、今、この文章を書いているのは2つ目の短編の「貧乏な叔母さんの話」を読み終わった後ですが、1作目の「中国行きスロウボート」の話は、ほとんどわたしのなかに残っていない。
まったく、大学時代に読んだ「風の歌を聴け」と同じ印象。

まあ、感想を一言でいうなら、「なんじゃ、こりゃ」。

「貧乏な叔母さんの話」は、きのう読んだところなので、まだちょっと印象が残っている。でも、多分これも、数日したら、まったく忘れちゃうような話。
出だし、叔母さんが出現するあたりは、ちょっと面白くて吹いた。
でも、その「叔母さん」が、ものを考える「ぼく」の思考かなにかを遠回しに表しているだけで、それで、「ぼく」に叔母さんがひっついていることで友達がうっとしがって離れていって、でも、そのおかげで有名になってテレビに出てくだらない質問に、くだらない答えをして、叔母さんがいる「ぼく」はそんなにいやじゃないというか、むしろ積極的に素敵、と最後に自己肯定してしまうこの話は、アホかと。

どこまで、自分のこと好きなんや。他人のこと、どうでもいいと思っているやろうという感想しかでてこないのです。

いや、もしかしたら、もっと深い話かもしれないですが、わたしは頭が悪のでこんなことした感じなかったです。

うーん。古川 日出男は、村上 春樹のどこに衝撃を受けたんだろう。

「カンガルー通信」まで読みました。
これは、ひたすら気持ち悪かったです。
自分が女子で、こんな手紙が来たら、迷わずに警察に行くと思います。
怖い。

なんか、ラストで「あぁ」というオチがあるのかと思ってがんばって読みましたが、結局、なにもなかった。

わたせ せいぞうとかに感じる、空っぽなおしゃれな感じがするんですよねぇ。
あれ、おもしろいか?
そして、おしゃれとも思えない。いやもちろん、わたしにおしゃれを語れるだけのなにかがあるとは思えないけれど。

うーん。主人公がダメダメな片岡 義男?
片岡 義男は、最近は小説書いてないのかな。けっこう好きでした。

なんのかんのいって、投げ出してしまうほど読みにくくはない。
でも、読んでいる最中も、読んだ後も、心になんにも残らない感じ。
時間を無駄にした感じがなぁ。

と思って読み進めていきましたが、最後の「シドニーのグリーン・ストリート」だけは、けっこう面白かった。
この作品が、他の作品とどこが違うのかはわからないけど。
もしかして、1冊読んでいるうちに、村上 春樹に慣れてきた?

そして思ったのは、この「シドニーのグリーン・ストリート」だけ、 村上 春樹ファンからは、すごく評価低かったりしないだろうか?

あっ、今、「中国行きスロウボート」で、中国人のカールフレンドが泣くシーンをフラッシュバックみたいに思い出した。
あれ、主人公、ナチュラルにいじわるしているんだよねぇ。そして、自分がいじわるしたことすら気づいていないという描写なんだろうか。
でも、そこで読者であるぼくの感じる気持ち悪さは、

「実は、作者すらその悪意に気づいてないんじゃない?」

という気持ち悪さと、それにもかかわらず、意味深げにそのシーンを切り出しているんじゃないかという気持ち悪さが、ないまぜになっています。

これが、村上 春樹の処女短編集。
あと、家には読んでいない村上 春樹が2作品あります。

うーむ。読む機会はあるかなぁ。