おおきく振りかぶって22
だれなら、どんな選手なら、三橋のまっすぐの秘密がわかるのかというのが、作者の中に明確にあるようですね。
秋丸の場合は、目が良いということになるのだと思います。だから、榛名の球も捕れるしと、ものすごく一貫している。
それが本当にリアルかどうかよりも、一貫していてリアルと感じさせられることでこのお話の厚みは出来ている気がします。
あと、わたしの中の腐な部分が、大喜びしています(笑)
古川 日出男は、見てきたように小説(ウソ)を書く。
いや、もしかしたら、本当に見てきたのかも。
二人称の短編連作小説。1話ごとに、主人公も語り手も変わっていく。
最後で語り手が誰か明かされるけど、明かされた語り手が、本当に主人公の行動をすべて見れる位置にはいないのに語っていたという不思議。そして、それでも見えていると強引にいっちゃうところが、この小説のすごいところだと思います。
「ハート/ハーツ」を読んでいるときは、今ひとつノれない文体だなぁと思っていたのですが、「ブルー/ブルース」で加速した。格好いい。いつも、この人の小説に感じるのは、この格好良さです。中二的な。それは、物語的なといってもいいかも。
ニヒルだけれど、正しいことはきっとあるよという強いメッセージであったり、この風景のなかに、いつか行ってみたいと思わせるもの。
どこか一線でリアルを超えて、よりリアルに感じる世界。
1巻全部、「富士に立つ影」。しかも、途中省略版。
これも、前巻の「島崎藤村」と同じく挫折かなぁと思って読み出したのですが、いやいや、けっこう面白かったです。
なんか、何代にもわたる因果が、いろいろ絡んでいる様子や、登場人物が、スッキリ、クッキリと浮かび上がっているところがいいなぁと思います。
なんというか、リアルな人間を書くとかいうと、どいつもこいつも、ぼやけちゃってということはあるかなぁと思います。複雑な人物をかこうとして、結局、よくわからない人物になってしまう。でも、これ話はそうではなくて、人が明快です。
あとがき読んだら、デタラメって書いてあった。いいんだよ、デタラメでもおもしろければ。そして、なんとなく信じられれば。物語なんだから。
これが本来の「ちくま日本文学全集」の最終巻の予定でした。でも、好評だから、10巻伸びたようです。
読み始めて、25年かぁ。あと10年ぐらいしたら、全部読めるかな。
そうすると、次に読みたいのは、河出書房新社から出ている「日本文学全集」なんだなぁ。いつまでたっても、時代に追いつかない(笑)
2軍ヒーローたちのシビル・ウォー(笑)
なぜか、最後の1話は、ブレイドとウルヴァリンですが、あとは知らんがな……みたいな。
ブラックキャットは、「ピーターパーカー、スパイダーマン シビル・ウォー」のときは、けっこう良いやつかと思ったけども、なるほど、そういう人なのね。
ある意味、夢がないリアルです。
ヒーローズ・フォー・ハイヤー シビル・ウォー
(MARVEL)
HEROES FOR HIRE
A MARVEL COMICS EVENT
CIVIL WAR
ピリー・トゥッチ,Billy Tucci,
フランシス・ボルテラ,Francis Portela,
ハワード・チェイキン,Howard Chaykin,
ジャスティン・グレイ,Justin Gray,
ジミー・パルミオッティ,Jimmy Palmiotti,
マーク・グッゲンハイム,Marc Guggenheim,
御代 しおり
ヴィレッジブックス
全7巻のマンガを映画にしたということで、マンガの方が丁寧に時間が流れていきます。
でも、映画の方も、どうしても入れたいエピソードやシーンを絶妙なところに入れているのがわかって、丁寧に作られていたんだなぁというのをマンガ版を読んで改めて感じさせられました。
こうやって、マンガ版をゆっくりと読んでいくと、あぁ、硝子のお母さんは手話できないんだとか、いろいろ気づくことも多い。そして、手話が出来ない理由も、なんとなくは見えてくる。
手話を覚えるって、大変。特に、周りに手話を使っている人間がいないのに覚えるなんてことは、なかなか出来ないと思う。硝子のお母さんは、子どもとゆっくりした時間を持つなんてこともなかなか出来なかったんだろうなぁということ、その理由に気づくのは、多分、けっこう難しい。
こういう物語って、親が出てくることって今まで少なかったと思うけれど、「聲の形」の2人の親は、どっちも好きだなぁと思います。どっちの気持ちも、すごく良くわかる。
なんかマンガ的な表現はいっぱいあって、マンガでしかかけない物語なのだけれど、大人も子どももそれぞれ等身大のリアルがかかれていて凄い。