宇宙兄弟30
同じ時代に、お互いに目標になったり意識をしあう相手があるというのは、きついことでもあるけれど、楽しいことでもあると思います。
そして、そのきつさの面も忘れていないところが、このお話のいいところかな。
もったいないけど、完結編。
小さい頃に「ロン先生の虫眼鏡」を読んでいたときの感覚を思い出させてくれた名著でした。
まあ、いろいろあなは穴はある気がします。姉弟って、あの人はじめ名字呼んでいた気がしますし、途中で設定かわったのかなぁ。けっきょく、ゾンビちゃんとはなんだったのかとかね。
まあでも、主眼はそこではない。それは枝葉の問題です。
変人であれ、変態であれ、人格的にアレであれ、その人の見つけた不変の真理というのは、正しいものならば正しいものとして受け取っていく。そして、出来ることならば、その真理が発見された物語も残していく。そうすることで、人類は前に進んで行くのだなぁと。
日本が、元気で上向きを信じていられた時代。
読みながら、でも、なんでそれを信じていられたのかは謎だなぁと。
良い政治があったから、信じられたわけでもないだろう。
多分、舵取りを誤ってれば、偉いことになったのは確かだろうし、それなりの志をもっていたことも確かだけれど。そして、多分、それと同じぐらい野望も持っていて、それはそれで、悪いことではないのではないかと思うのだが。
どうしていても、繁栄していたとはいえないとは思う。
それにしても、あの敗戦の後、なんでそれでも気力がある人が多かったのかと不思議です。
今との違いは、なんなんだろう?
それとも、今の時代も、もう何年もたてば、懐かしく「元気な時代だった」と振り返られることがあるのかなぁ。