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最終戦争 最終戦争シリーズ3

最終戦争

「最終戦争シリーズ」をちゃんと読み始めようと思ったのは、秋田書店版の「ハルマゲドンシリーズ」でした。
その当時はたしか、朝日ソノラマの「最終戦争伝説」も並んでいて、どっちを買ったらいいのか悩んだような記憶があります。
題名同じだし(秋田版も「最終戦争伝説」が出ていた)、巻数が多いので、こっちだなと思って、兵庫県の社町にあるナイル書店で買った覚えがあります。大学時代。その頃は、兵庫県に住んでいました。
噂によると、ナイル書房は今はないそうですが……。まだ、ナイル書店のマンガコーナーが地下になっていなかった頃のお話です。

秋田書店版の「最終戦争シリーズ」は、なぜか、当初、主人公の名前で題名を統一しようとしていたようで、1巻目「十蘭」、2巻目「峡」でした。この2つの名前は、確かに雰囲気あるなぁと思います。で、次が「真紗留」で、次が「永都」となる予定だったとか。うーん、それでも悪くなかったとは思うのですが、そうするとその続きは、「小角」になっていたのかなぁとか。

この「十蘭」を読むことで、かなり「最終戦争シリーズ」の全貌を知ることになるわけですが、それでも、不思議に思ったわけです。
それは、ここに「最終戦争」というお話の最初になるような話があるのに、花とゆめコミックスには、それより前にかかれた本があるということです。

じゃあ、それより前にかかれた話は、「最終戦争シリーズ」だけど、「最終戦争」についてはかかれていなかったのか??
いやいや、そんなことないだろう。きっと、花とゆめコミックスでも、この話が最初に違いない……。
この話だけ、ないとこまるので古いシリーズの中から持ってきたのか??

とか思っていました。

でも、この文庫本を読んだり、いろいろ調べたりして、この「最終戦争」という話は、花とゆめコミックスの後にかかれた話だということがわかりました。
「十蘭」、「峡」は、どちらも、白泉社の花とゆめコミックスではなくて、東京三世社からでた「最終戦争」と「雲中飛行」から再録したものなのでした。

ということで、わたしが読んだ「最終戦争」は、この「十蘭」の中の1編としてでした。

この最初の

「世界は半分になったか?」

というのにシビれました。
その後、画集を購入して(これもナイル書房で買った記憶が)、カラーで見た時、またシビれたのですが。

まあ、当時、大学生でしたので、丁度、中二病のツボにはまったんですね(笑)いや、今でもかっこいいと思っていますけどね。

読んだ当時は、世紀末のムード満点な時期でしたが、これがかかれたのは、それよりももっと前です。世紀末の荒廃したビジョンというのは、大概、核戦争が多かった気がしますが、このマンガでは地殻変動装置メビウスです。そういえば、バイオレンスジャックも、大地震です。
核戦争の前のイメージは、地震だったのかもしれません。

雲上飛行

メインは「雲中飛行」で、この「雲上飛行」と「着地」は、後から、秋田書店のプリンセス・コミックスになった時の書き下ろしのようです。

なぜか、この一連のお話は、ものすごく好きです。

雲中飛行

カトマンズの生神が出てくるのは、これが最初なのかな。
今調べてみると、どうやら、この頃には、「ドン伝」がすでに始まっているから、そっちが先かもしれません。

パターン的には、「西の22」と同じ感じでお話が展開していって、でも、こっちはハッピーエンド。

しかし、スリープウォーカーの持ち帰った資料は、一切やくにたたなかったというものすごい皮肉。
こういうあたりが、凄いなぁと思います。

着陸

この3部作が好きな1番の理由は、この話かもと思います。

このとぼけたラスト。生神という存在を活かしきっていると思います。
その後、彼らは生きて、そして、物語にはでてこない。
とっても、潔い。

今、ネパールは大変な事になっています。
でも、それを乗り越えて、未来に残る都市であると信じています。

土曜の夜

このパトロールは、小角ですよねぇ。
珍しく、1人でタイムパトロールの仕事をしています。
まだ、時間移民の前かな?

いや、明確に妖魔のことを知っているので、やっぱり、移民後か。

移民後なら、この仕事、星野が勲と知り合いということもあり、適任の様な気がするのですが。
まあ、移民後、いつの時代の小角なのかというのはわからないので、もしかして、タイムパトロールとして、1人で活動していた時代というのがあるのかもしれません。

と、そういうことを考えるのが、楽しい。

メランコリー・ブルー

この恐ろしいのだけれど、どこか、底抜けに明るく、幻想的な魔女のイメージが、好きです。

男性がかくときっと、怖いだけの吸血鬼的な存在になると思うのですが、そこに、ハチャメチャなイメージがついてきて、明るい話なのか暗い話なのか、悲劇なのかコメディなのかもわからなくしてしまう。

そうして、全部の飲み込んでしまう感じが、デーヴァダッタなんだなぁと。

あと、人間は自分の知っている範囲で、判断するしかないというところも、実はすごい突き放しているところなんだけど、好きです。

ダグラス君シリーズ

これが実は、2人組のパトロール、星野と小角の最期だったりして。

そういうことも起こりうる世界ですよねぇ。

ファーストコンタクト

書き下ろしというか、新作があるのはとてもうれしいのです。
が、この文庫で、順番に「最終戦争シリーズ」を知っていこうと思っている人にとっては、ここでこの話が出てくるのは、なにがなんだかですよねぇ。
小角が、時間移民した後の話ですから。

しかし、妖怪と妖魔って、けっこう知り合いだったりするのかと思っていたのですが、そうでもないこともあるようで、妖怪と精霊たちというのも、けっこう、層が違うようです。

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刀神妖緋伝6

前巻を読んだのは、10年以上前ですな。
ほぼ、人間関係とか忘れていますが、それでも、楽しめます。

7巻はもうでないのかなぁ。どっかで続きかかないのかなぁ。

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緑の少女 最終戦争シリーズ2

自我系の暗黒めぐる銀河の魚

これも、凄いかっこいい題名ですよねぇ。中二なんて、言葉がまったくなかったときのこのSF感覚。
そして、内容も、ものすごく閉塞感のある今だからこそ理解できるものはあるのですが、ものすごい絶望的なお話です。もう、多分マンガの中で、1歩も2歩も、前を歩いていたと思います。

SF指向、歴史指向のある24組の中でも、特別ですよねぇ。

これが、唱の初登場。
多分、唱は、竹流をもてあそんでいる。もしかすると、やりたいことは竹流の才能を潰すことだったのかもしれないと思います。

市会議

主人公は、竹流から小角に。
この流れ、そして、「緑の少女」、「パトロール」という流れ。ものすごい広がりがはじめから仕組まれているのがわかります。

まあ、この状況の中、この時期の小角が、かなりニヒルなのも仕方ないと思います。

緑の少女

この後、竹流の活躍がなく、いきなり「パトロール」に物語が展開していくというのが、この閉塞感のある未来の世界の絶望を表していると思います。

この歴史とSFを合わせる手法は、あとの少女マンガ家にものすごく影響をあたえて、今日でも、その影響下にあると思われるマンガは多いです。

パトロール

ついに、「敵」の一端が明らかになる。
唱は、こうみると初めから、特別な存在だったようですね。

火星人と竜の城

最近の絵柄の作品。
いつもは、バーツマコの恋バナが多いのですが、珍しく、ダ・マーヤの方のお話です。

でも、詩集の手紙とかを見てもわかるように、基本、この二人がデキているので、他の人はあんまり入る余地がないという。

セラフとザンベジ川

この話、妙に好きなんですよねぇ。
ときどき、あっち側に行ってしまいたいというような気持ちに、ものすごく共振してしまいます。

なんか、そういうこともあるかもしれないと思えてきます。

さらに新しい絵柄だと思う。目が大きいし。

「セラフとザンベジ川」に続いて、永遠に生きていく2人のちょっと悲しい感じのするお話です。

まあ、短すぎて、どんな事情があって殺されて幽霊になったのが、相手がどれぐらい悪いヤツなのかは伝わった来ない部分はあるのですが。
主眼はそこではなくて、流れていく時間にあるのです。

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冬の円盤 最終戦争シリーズ1

さて、いよいよ最終戦争伝説シリーズです。
最初は、白泉社の花とゆめコミックス版から出ていたお話。このあたりのお話が読めたのが、この文庫シリーズが出て1番うれしかったことです。
山田 ミネコ自身が、秋田書店のプリンセス・コミックス版では、「同じ様な題名でかいていた古い作品があるけれど、あれは別の世界の話だから忘れて」的な発言をしていて、もう出す気がないのだと思っていました。
こうやってみると、でも、明確にこれらの話を前提として話がつくられています。

うーん、元気だったら、このあたりの話も、書き直したりするつもりがあったかもと思ったり。

冬の円盤

円盤が、アダムスキー型なのが、なんとも時代を感じさせます。
真砂流は、「風のし天使」の落ち着いた雰囲気からしか知らなかったので、やんちゃな感じで、ちょっとビックリしました。
まあでも、まだ子どもだったということなんでしょうね。

でも、絵柄がかわったとはいえ、星野はしっかり星野です。そして、9歳の笑を見初めているという。ちょっと、危険だな、この人(笑)

わたしのなかでは、すっかり大人組である笑にも、こんな時代があったということで、やっぱり、山田 ミネコは成長をかけるマンガ家なんだなぁと思います。

誕生日がこない

「誕生日がこない」
まず、題名が凄いですよねぇ。

恋愛については、なんというか無茶な展開というか時代を感じたりもしますが、それでも、こんな話をかく人って、まあ、いないよねぇと思います。

笑は、自分の体が弱っていくのを感じています。星野の迎えが自分の死に間に合うかどうかと不安に思っている。
でも、星野の方はというと、笑が死んでしまう未来をそれこそ、何月何日まで知っていて、それを待っている。

実は、お話の軸ってそれだけで、あとの登場人物たちは、それぞれの人生を右往左往しているだけという感じもします。

時間移民として、笑を連れて行くことは正しいことかどうかひたすら悩み、自分の魅力にも悩み、絶対的に笑の意志を尊重する星野の真面目さ。でも、笑にちょっかいをかける男子には、冷静にきつい一言をかけるところとか、星野かわってないなぁと思います。

西の22

唯。
秋田版の唯しか知らないわたしの唯のイメージは、サイボーグ。
それから、「木は花の天使のオレンジ」というあの素晴らしい題名の短編での子ども時代の姿だけです。

ということで、この話を読んだ時は、唯がサイボーグじゃなくて、彼女の方がサイボーグだったりして、いろいろ戸惑いました。
あと、カーニバルな場面が、なんでこんなに続いているのだろうという印象がありました。

これはでも、アストロノーツとマリンノーツとの文化の違いとか、世界の違いをかくためには、必要だったのかなぁと今読むとわかります。

侏羅は、もっと弱くて、もっと利己主義で、もっと人間的で、もっと魅力があるというのが、このお話の中心。そして、物語は、いよいよ最終戦争が始まり、怒濤の悲劇へ。この突き放したラストは、今読んでも凄いです。

ペレランドラに帰りたい

最初、この2人が、ダ・マーヤとバーツマコだということがわからずに、なんでこの話がここに収録されているのだろうかと悩みました。
特にダ・マーヤ。長髪でないので、全然、わからなかった。星野とかは、顔が変わっていてもわかったんですけどね。
そういえばでも、秋田版の方でも、この2人の話はあったかな。

この次の「遙かなり我が故郷」は、まだSFなのですが、これは、本当にSFだったのかどうかもわからない感じの話になっていて、そこがまたミステリーな感じなのです。

まあでも、金星は滅んだはずなので、あれは戴冠の花火ではないような気がします。

山田 ミネコは、シナイとアビラとセリスなら、セリスでありたいと願うようですね。

遙かなり我が故郷

コメディな2人……でもないですねぇ。
けっこうシリアス。
でも、あとがきを読むと、また、コメディに(笑)いや、コメディと呼ぶには、重いかも。

ダ・マーヤの髪がちょっと伸びて、今の顔に近づいて来た感じです。
この2人の関係って、どれぐらいモデルの2人のことを反映しているのだろうかと、ちょっと気になりますねぇ。
詩とか見ていても、かなり長い付き合いなんだなぁと思うし。リアルな関係を物語に持ち込むのは、けっこう勇気がいると思うのですが。

そういえば、バーツマコは、テレポートができたのでした。

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アリスと3人のふたご

山田ミネコの最終戦争シリーズが好きです。
これは、1970年代から延々と40年ぐらい続いているSFマンガです。同じSFマンガである「超人ロック」と同じく知る人ぞ知る息の長いシリーズです。
まあ、この時代のマンガってものすごく力が強くて、実は「ガラスの仮面」とかも、まだ、続いていますよねぇ。

わたしがこのシリーズを読み始めたのは、多分、80年代になってから。
中学時代ぐらいに読んだ「パトロールシリーズ」からです。

このシリーズ、放浪のマンガでもありまして、いろいろなところで連載が続けられています。
2000年代に入ってから、メディアファクトリーから、それまでいろいろな出版社からバラバラに出ていたシリーズをかなり網羅した文庫版がでました。

その記念すべき1冊目が、この本です。
このシリーズが刊行したことによって、わたしみたいな遅れてきた山田ミネコファンも、やっと、「最終戦争シリーズ」の全貌を知ることができました。
まあ、ただし、この本は、「最終戦争シリーズ」にはカウントされていません。「アリスシリーズ」というのだそうです。その「アリスシリーズ」の最後の1話だけが、「最終戦争シリーズ」とリンクしています。

「最終戦争シリーズ」、山田ミネコ先生が体調不良になったために商業誌連載が続けられず、現在は同人誌で小説として刊行されていて、20冊ぐらいまで出ています。

わたしは、この10年ぐらい、メディアファクトリーから続きが出ないかなぁとずっと待っていたのですが、音沙汰がないので、とうとう、この同人誌に手を出すことに決めました。
先日、山田ミネコの同人誌が、どっさり家まで送られてきて、今、メチャクチャ、テクションがあがっている状態です(笑)

で、今まで、「あ・そ・ぼ」で、山田ミネコのマンガの感想って、どんなこと書いていたかなぁと思って調べてみたら、「最終戦争シリーズ」の感想って1つもなかったのです。

ということで、これを機会に読み返して、感想を書こうと思い立ったわけです。

走れアリス

わたしが、山田ミネコおもしろいと思ったのは、中学時代に読んだ「パトロールシリーズ」ですし、「最終戦争シリーズ」を読み始めるのは、さらに後の大学時代、秋田書店から出ていたプリンセス・コミックスのシリーズからでした。

秋田書店のコミックスを読むと、このプリンセス・コミックス以前に出されているこのシリーズは忘れてくれ的なことが書いてありました。
わたし、小学校時代から少女マンガを読み始めていて、そのころ花とゆめコミックスとして並んでいた、「最終戦争シリーズ」というのは、よく見かけて知っていました。今はなき、浜大津の駅の近くにあった浜書房の2階に置いてあったのです。
でも、その当時は、ものすごく気になりながら、絵柄に抵抗があって手を出していなかったのです。

まあ、気になっていたのは、「自我系の暗黒をめぐる銀河の魚」とか、「西の22」とか、題名がなんとなくかっこよかったこともあったと思いますし、あの頃の「花とゆめコミックス」で、背表紙に小さい字でシリーズ名が書かれていたマンガって、「シルクロード・シリーズ」や、「はみだしっ子シリーズ」で、どれも特別におもしろくて、それと同じ感じのマンガだということで気になっていたわけです。

で、秋田書店の「最終戦争シリーズ」を読んだ時に、メチャクチャ後悔しました。
なんであのとき、「花とゆめコミックス」の一連のマンガを購入していなかったんだろうかと。
もう、その頃には、絶版になっていました。

で、まあ、秋田版の「最終戦争シリーズ」の前に、基本になる物語がいくつかあるということは知っていたのですが、アリスシリーズというのは知らなくて、最初この話を読んだ時は、ちょっとびっくりしました。まず、この話自体は、まったく「最終戦争シリーズ」とは関係ない感じですから。たしか、このシリーズって、「最終戦争シリーズ」が文庫で出るよと聞いて読んだのです。

スクラップスティクなコメディですが、これ真面目にかいたらけっこう重いストーリーをなかに含んでいます。そして、絵の中には、人間のドロドロとしたところや、あとの「最終戦争死リーズ」に繋がるような魔物的な描写もあっておもしろいです。

女の子が、とっても元気で良いです。わたしは、山田ミネコのかく元気な女の子が大好きです。

消えた宝石

第2話で、スクラップスティク色がだいぶん消えているような気がします。コメディではあるけれど、ちょっとハードになってきました。作者的には、ミステリー寄りにシリーズを持って行きたい感じですねぇ。

そして、コメディでありながらも、どうしようもない世界をかいています。

アリスと3人のふたご

このあたりから、等身をちょっとずつ上げている感じです。
主人公ではなくて、周りのキャラクターにスポットがあたっていく感じは、これから先の山田 ミネコ作品をなんとなく彷彿させます。まだ、キャラが勝手に動いて暴走していく感じまではないですが。

「3人のふたご」っていうのは、いい題名ですよねぇ。「エミールと3人のふたご」という元ネタはあるもののそれをもっているセンスが素敵です。

ラストシーンまで、ほぼ完璧に出来上がった1作だと思います。

夏がどこかへいった

回想の物語である「夏がどこかにいった」は、もう完璧にコメディの色はないです。
初期の萩尾 望都や、竹宮 惠子と同じ香りがします。

そこでかかれているのは人の心の深淵で、それは、他人だけではなくて主人公であるアリスの心、8歳の少女の心にも容赦なし。

少女マンガが、24年組によって文学にまで高められた時期の作品です。

最初の1コマ目のアリスが、今の絵柄に見えるのですが。
実はわたしは、途中で終わっている「月読の剣」が凄い好きで、あの目の大きな鳩子ちゃんの顔が大好きなのです。あの鳩子ちゃんとよく似た顔でよいわぁ。

黄金細工の部屋

殺人事件。
アリスと仲間たちが、謎を解いていきます。完全にミステリー。

完璧ではない、それどころか悲しさで壊れていく大人をかいていきます。

前の話で、鳩子ちゃんそっくりのアリスがかいてあったのは、もしかしたら、文庫化したときに追加でかいたイラストかも。だって、この話では、最新作1の同人誌「パトロール伝説」の宣伝がされています。元は、コミックスかなんかの宣伝のスペースだったのかな?

馬に乗った幽霊

メガネを取ったら……パターンですが、ネコさんの場合は男の子です。それも、2回続いて(笑)
まあでも、こっちは、メガネをかけていないと成り立たない感じの話ですね。顔を隠すところにちょっと意味があるから。

お祖母さんの困った癖そのものが、これで直るのかどうかはちょっとわからないのですが、騙しているという感じが、お話の最後でちゃんと解消されているところはポイント高いと思います。

誰かが殺した

「誰かが殺した」っていう、題名が凄いです。
もう、少女マンガの題名としては、あり得ないだろうと思います。

そして、登場人物が、少年や少女から、青年や娘に、だんだんと成長してきているというところが、なんともうまいです。
こういう成長を1番上手くかいた人って、三原 順かなぁと思うのですが、山田 ミネコもそれに負けていないと思います。「最終戦争シリーズ」みたいに、人が不老不死になっちゃった世界でも、ジャッカルとか子どもはちゃんと成長していて、ハッとします。
しかも、このお話の中で、山田 ミネコは、男の子と女の子の成長の早さの違いまでも、ちゃんとかいていています。

それから、ハゲ頭好きは、このあたりからあったのかな。

男爵夫人・ラム

「男爵夫人・ラム」は、アリス・シリーズの最終作にして、最高傑作です。
まあ、実はもう1つこの後に「妖魔の森」が入るのですが、あちらはアリスが主人公というわけではないですからねぇ。

ここで、アリスは自分の最大の敵を認識します。多分これ、「夏がどこかにいった」をかいた時から、構想していたんだろうなぁと。
この後、いろいろな事件に遭遇しながら、すれ違ったり、直接対決したりするアリスとジルっていうのを見たかった気がします。多分、かかれていなくても、そういう人生を送ったのだと思います。
そして、デーヴァダッタになったジルと、時間移民したアリス&ディックと永遠に戦い続けていたりして。

グリンダって、後で最終戦争シリーズに出て来た??あれは、デーヴァダッタだったような記憶があるので、違うのかな。

妖魔の森

「最終戦争シリーズ」の始まり。
まだ、デーヴァダッタとかまったく出て来いないのに、題名が「妖魔の森」というのが、なんていうか暗示的です。

アリスが主人公というわけでないので、今までのシリーズとは、ちょっと毛色というかトーンが違う感じがあります。

パトロールは、黒髪長髪なので、「小角か?」と思ったけど、目つきがちょっと違うか?

  1. この本が出た当時ね []