手塚治虫,読書ブラック・ジャック,手塚 治虫,手塚治虫文庫全集,講談社,

ブラック・ジャック12 手塚治虫文庫全集

最終巻。
結局、コミックスに収録されなかった話があと2話ぐらいあるという話です。

最後の話も、最終話という感じではなくて、まあ、手塚先生が生きていたら、きっとどこかで話がかかれていたような気がします。
最終巻自体は、前の巻でやっちゃった感じがありますからねぇ。あれを最後にもってきても良かった気がします。全集なので、年代順なのかな。

手塚治虫,読書ブラック・ジャック,手塚 治虫,手塚治虫文庫全集,講談社,

ブラック・ジャック11 手塚治虫文庫全集

「人生という名のSL」が、あまりにも走馬燈で、これが最終話かと思ったのですが、あと1巻あるようです。

今調べてみたら、これで一旦、連載は終了したらしい。
なるほど、そういう感じの作品です。

古川日出男,読書ブラック・ジャック,二〇〇二年のスロウ・ボート,古川 日出男,文春文庫,文藝春秋,歴史,

二〇〇二年のスロウ・ボート

彼が治療に何の効果もなくて、自分がそんな者必要なく良くなったのだと考えるのなら、それはそれで、結構。
つまり、治療がとても上手くいったということなのだと思う。

という感じで、アレのリミックスということで、かなーり、ギチギチに警戒して読み始めた「二〇〇二年のスロウ・ボート」ですが。
コレは、アレの100倍ぐらいおもしろいです。
というか、どこまで行っても、ストーリー指向です。古川 日出男。雰囲気だけで書いているアレとは大違いだと思います。

まあ、これはわたしがストーリー指向であるためだと思います。

そして、これも偽史。ここでも、さりげなくフィクションの歴史が、現実を侵略してきます。
徹底している。

特に好きなシーンは、ブラック・ジャックの様に、女子高生が制服の裏の包丁を見せたるところ。
そこから先の疾走感は、最高です。

そういえば、このお話では、走るっていうのが、ものすごい大事なテーマになっています。脱出のために。そして、何かを得るために走る。
最後の手紙まで、本当にドキドキして読みました。

でこねぇさんは、この本を見て、

「これ、あの怖い話書く人だよねぇ」

といっていました。
わたしは、この人、怖い話というイメージはまったくないのですが。
ひたすら、中二的にかっこいい。

手塚治虫,読書ブラック・ジャック,手塚 治虫,手塚治虫文庫全集,講談社,

ブラック・ジャック10 手塚治虫文庫全集

昔、ブラック・ジャックの手術のうち、何パーセントが成功で、何パーセントが失敗だみたいな、本がありました。
あれが、謎本の始まりみたいな感じだったと思います。

でも、ときにドラマは、手術が成功するかどうかなんて、どうでもいいという物語もあったりします。

それ以前に、手術するのかしないのかというドラマがけっこう多いし、結果は、けっこうドラマの外側で読者にゆだねられています。

まあ、ページ数が少ないというのもあると思うのですが、手塚 治虫が物語の中でフォーカスしたかったところを明確に知っていたということもあるのだとろうと思います。
もちろん読者は、結果なんか聞かなくてもブラック・ジャックが手術したんだから、成功したに決まっていると信じているのですが、見るべきところはそこだけではないよと伝えている気がします。

「しめくくり」は、手塚 治虫の生き方そのものですねぇ。

手塚治虫,読書ブラック・ジャック,手塚 治虫,手塚治虫文庫全集,講談社,

ブラック・ジャック9 手塚治虫文庫全集

手塚 治虫展に行って、いろいろ解説をみ見て「ブラックジャック」というのは、手塚 治虫オールスターみたいな企画だったという話を知りました。

確かに、見たようなキャラがいろいろ出てきます。
これがオールスターなのは、連載が長期で、手塚のスターシステムのせいだと思っていましたが、それだけでもなく、そう意図された部分もあるみたいです。

かたくなに、短編連作なのも、そこと関係があるのかもしれません。