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竜の騎士

「どろぼうの神さま」に続くフンケの2作目です。1

実は、本屋さんで目に入ったのは、「どろぼうの神さま」よりも、この「竜の騎士」の本の方が先なのです。
深く青い夜空の中を飛んでいるドラゴン。そして、ドラゴンの上にのる少年とネコ2
このフンケ自身が描いたカバーイラストにドキドキしてしまったのです。

けっこう同じ様な名前の物語ってけっこうあって、まあ、「竜」とかいう言葉に弱いのですが(笑)、これは、カバーイラストが最高に良かったです。

で、「どろぼうの神さま」を読んで予想以上のおもしろさということで、こちらの方にも進みました。

「竜の騎士」という題名です。
わたしのイメージでは、「ドラゴンランス」の子ども向けみたいな話なのかなぁというイメージです。3
異世界の戦争の中を、竜や、小人、伝説の動物と、異世界の人間たちが活躍するような話ですね。

1章を読んでビックリ。
なんとこれ、今のこの世界を舞台にしたファンタジーだったのです。
竜たちは、静かにかくれ里に暮らしています。でも、そこにも、人間たちの開発の波が押し寄せてきます。
竜たちのなかでも、年若いルングは、相棒のコボルとシュウェーフェルフェルと一緒に、世界中のどこかにあるという竜たちの楽園「空の果て」を探しす冒険の旅に出ます。

もう、1章読み始めた瞬間から、ずっーーと、ドキドキしっぱなしでした。

特に、わたしが気に入ったのは、ネズミの飛行機乗りにして、大冒険かのローラです。

「やっほーーーっ!」

と叫びながら、愛用の飛行機で悪竜ネッセルブランドの角のまわりをぐるぐると飛びまわるところは、子どもにもどったように大興奮しました4

キャラクター1人、1人が、ものすごく生き生きとしています。
おもしろさの質がちがうので、単純にどちらがおもしろいとはいえないのですが、「どろぼうの神さま」よりも、「竜の騎士」の方が、より小さい子に受け入れられやすいような生き生きとした話だと思います。

フンケ、超オススメです。
「魔法の声」も、読むのがすごい楽しみです。

コルネーリア・フンケ,Cornelia Funke
細井 直子
WAVE出版
発売日:2003-08
 

  1. 日本で出版された2作目ということで、ドイツでは「どろぼうの神さま」よりこちらが先に出版されたそうです []
  2. 実はコボルとであることが呼んで判明 []
  3. 「ドラゴンランス」も、子ども向けだろうという話もありますが…… []
  4. 「いつも、子どもみたい」とか言わないこと []

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どろぼうの神さま

「ハリー・ポッター」よりも、「ドラゴンランス」の方がおもしろいと思って、子どもにすすめているわたしですが、「ドラゴンランス」は、児童文学かというと、微妙だなぁと思っています。

今まで、これは最高だと思った児童文学は、「ふたりのアーサー」のシリーズだったのですが、この「どろぼうの神さま」も、それとおんなじぐらい楽しかったです。

この本に書かれていることは、ファンタジーも含めて全部、本当のことのように思えてくるんですねぇ。
それは、言葉のはしばしのさりげない繊細さからくるのかもしれません。
すごく気に入った、使ってみたいと思うフレーズが、いくつも、いくつも出てきます。でも、それらが、ガンガン自己主張をしているわけではないんですねぇ。
そのせいで、不思議な現実味があるのかもしれません。

それから、悪役とよばれる人物でさえ、すごく注意深く書かれています。

わたしは、最後の最後のまで、まさか全員があんな結論に達するとは思っていませんでした。

特に、「どろぼうの神さま」たち。

最後のページで、やられた。と思いました。

人それぞれに、価値観が違って、幸せも違う。
それは、口で言うのは簡単だし、これまでも、いろいろ物語などでも語られ続けてきました。

でも、こんなかたちで、本当に示してみせるというのは、しごくわたしにとっては、ショックでした。

「竜の騎士」も、買いに行こう。

コルネーリア・フンケ,Cornelia Funke
細井 直子
WAVE出版
発売日:2002-04