斎藤環,読書きら,ちくま文庫,セーラームーン,ラー,戦闘美少女の精神分析,筑摩書房

戦闘美少女の精神分析

本人は、「萌え」もわからない、おたくとしてのメンタリティを持っていない人だそうです。

………。

嘘つけ(爆)

きっかけは、ヘンリー・ダーガーとかいっていますが、多分、セーラームーンあたりが気になっていたのではないかと。それで、ダーガーを知って「おー、芸術!」てな感じで、やっと、安心して語り出せたのではないかと。
この人って、今の地位や信頼をうしないたくない、そういう隠れおたくな感じがします。

ダーガーの話は、それなりに熱がはいっていておもしろいです。だから、ダーガーが好きなのは、多分、本当のことなのだと思います。が、それ以外の作品分析は、けっこう、いい加減だぞ。

まず、いろいろな人の説や考えをもってくるのですが、自分の感性に近くないものは、バッサリ感情で切り捨てています(笑)そのときのセリフが、

「わたしの専門的な経験からいえば……」

「わたしの感じた印象からいえば……」

みたいな感じの切り方です。
オイオイ、きみの感性は、そこまでシャープなのか(笑)

あと、解説でもつっこまれていますが、戦闘美少女を「日本的なもの」と位置づけながら、その存在を精神分析的に定義するというのは、あきらかに矛盾しています。

でも、「謎本」とか、「空想科学」たいな見方よりは、好きな見方ではあります。
戦闘美少女を語ることが、「自分語り」になっていくようなスタンスになってくれば、楽しいかも。

なにかを語りたいと思うとき、「好き」でも、「嫌い」でも、その対象になんらかの思いをこめているはずで、自分で選択して語りはじめた時点で、対象に対して冷静でなんかいられません。

だから、熱く語った、熱い文章が読みたいですね。