白倉由美,読書夢から、さめない,白倉 由美,角川グループパブリッシング,角川文庫,角川書店,

夢から、さめない

大好きだったリーディングストーリー。
そこで語られていた物語。

なんというか、なんでそうなるのかという脈絡よりも、そうせずにはいられないという思いの強さが、多分、あの頃の自分には好ましかったんだろうなぁと。

今読むと、空音の優しさとか柔軟さ、以前読んだときには読み落としていたところが見えておもしろかったです。最近は、昔ほどお話が読み取れなくなっているのを感じるのですが、これは読めた。それが、ちょっと嬉しい。

白倉由美,読書マンガ,ラジオ・キス,映画,白倉 由美,講談社,,YA! ENTERTAINMENT

ラジオ・キス

「ミツバチのささやき」という映画があって、すごい不思議な映画なんです。
受け取るストーリーが、見た人によって変わっちゃうみたいなお話で、凄く好きなんです。

多分、白倉 由美も、ちょっとは影響受けていると思います。

で、この「ラジオ・キス」は、人からすぐに忘れられてしまう女の子のお話。
女の子は、本当にいるのか?もしかしたら、主人公が生み出したまぼろしではないか?
メーテルみたいな存在ではないか?

という感じで、途中までは、これは白倉 由美の新しい「ミツバチのささやき」だと思っていたのですが、最後の謎解きというかオチが余分だったな~。
でも、映像作品でない小説の場合は、そこは、やっぱりはっきりかかないといけないのかもしれない。
だから多分、だれか才能ある人が、映画にしたら凄くいいお話になると思いました。白倉 由美自身のマンガでもいいなぁ。

ということで、なんか、ものすごく惜しい。
でも、好き。

白倉由美,読書しっぽでごめんね,マンガ,大塚 英志,彼女の海岸線,白倉 由美,角川書店

しっぽでごめんね

白倉 由美は、マンガ家の時代から大好きな作家です。

最近、今まで聞いていなかったリーディングストーリーを聞く機会があって、それを聞いたとたんに読みたくなってこの本を本棚から出してきて一気読みしました。

まあ、実は作者は、性格悪いとかいろいろありますが、なんというか、そんなのこととは関係なく、この人がかく物語とか、言葉とかがものすごく好きなのです。

というか、好きなんだなぁというのを再確認しました。

しっぽのある女の子の話ということで初期の名作マンガ「彼女の海岸線」の再話なのかと思っていましたが、そうではなかったです。
でも、孤独な心に少女が住み着くというストーリーは、よく似ています。そして、「彼女の海岸線」をかいていたときよりも、テーマは、1歩進んでいます。
もう1歩、現実の側に歩いていこうとしている気がする。

宿無しミューズのお話(?)を昔どこかで聞いたことがあります。
それは、いろいろ芸術家の卵の家を渡り歩いているフーテン少女で、彼女に出会った芸術家はなぜか大成するというお話でした。

「しっぽでごめんね」は、そのミューズを手に入れた芸術家の話であり、ミューズだった少女が、生身の人間に戻る話でもあります。

この生身に戻るというのが、僕らが生きていく上で、結構、大事なことで、白倉 由美や、大塚 英志が、一生懸命にやっていることなのかなぁと思います。

夢が醒めても、その子の居場所でありたい。
そう思える強さを手に入れたい。

白倉由美,読書児童文学,子ども,手塚 治虫,文学,獸木 野生,白倉 由美,講談社

きみを守るためにぼくは夢をみる

第1章を読んだときは、10歳のナイトみたいな少年のデート(しかも相手が、あの川原 砂緒ですよ!!)ということで、若干、

けっ!

とか思いました。

でも、2章からが、せつない。自分だけが7年間という時間をなくしてしまうのです。理屈は、一切なし(笑)

今までの白倉作品、大塚作品とも、リンクしいて--というか、名前が同じだけで生い立ちとかは全然違うわけですが--そうか、最近は、貴生とはつきあってないのか、あんまりしあわせそうじゃなかったもんな……とか、公彦、やっぱり大きくなったら、狂気を抱えてしまうのかとか、思ってしまいます。

まあ、そういう読み方じゃなくて、そういう名前の俳優さんが、その役をやっているという、手塚 治虫や、獸木 野生のスターシステムみたいなものだと思ってみるのが正しいんだと思います。

というか、もっと1つずつみるのが、もっと正しい読み方で、こういう読み方は、まんまと罠にはまっているのかも……。

砂緒ちゃんがねぇ、主人公の朔の一人称なのでよけいにということもありますが、砂緒ちゃんの気持ちが、見えてこないんですよ。
めちゃくちゃ純粋なまま7年間を過ごしたんだと思うけれど、公彦と一緒にいることで、何か感じるところはなかったのかとか……。
ある意味、本当に永遠の少女です。

一貫して、白倉 由美のテーマは、「大人になる」ということだった気がするので、児童文学という選択肢はありかなぁと思います。
ただ、他の児童文学と同じく、本当にその言葉が、子どもに届くかというと……難しいかも。

あぁでも、1人でも届けば、それはそれで意味のあることなのかも。

白倉由美,読書リアル,大塚 英志,白倉 由美,講談社

おおきくなりません

白倉 由美の自伝的な小説みたいにも読めるけれど、現実って、こんなものではないよねとも思う。
でも、彼女の中のリアルが、これだったのかもしれないことは、理解できます。

なんか、大塚 英志が書いて、あんまりにも自分を美化しすぎたので、白倉 由美名義で出したという気もしないではない。
また、みんな騙されてと、彼が笑っているのかもしれない。
キャラクター的にも、けっこう、大塚さんの作品とかぶっているし。

まあ、どっちが書いたものも好きなので、どっちでもいいや。