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ヘルマン・ヘッセ全集4 車輪の下 物語集2 1904-1905

さて、心配していた「車輪の下」ですが、楽しく読み終わりました。
というか、割と記憶にあるよりも、明るく緩いぞ。まあ、頭痛という重低音がずっと鳴っているのですが。

まあ、そもそも初めて「車輪の下」を最初読んだのは、小学校高学年か中学校ぐらいのはず。

部屋に兄貴のお古の子ども向けの世界文学全集みたいなのが並んでいて、まあ、暇なときにそれをパラパラ読んでいる子どもでした。土に日の朝とかは、親が起きてくるのが遅かったので、そういう時間があった。
その手の全集を買ってもらっている人は何人か知っていますが、それ読んでたというのは、うちのねぇさんに出会うまではあったことなかったです。

その中に「ああ無情」というのがあって、まあ、「レミゼラブル」なわけですけど、メッチャ印象的なシーンが、ジャンバル・ジャンが、自分の正体がばれてしまうのも気にせずに、馬車かなんかの下敷きになったおばあさんをたすけるシーンでした。

で、「車輪の下」という題名を聞いたときに、なぜか、

あぁ、あの本の本物、大人版なんだ。

という、閃きが(笑)大いなる勘違い。
で、読んで見たら、いっこうに銀の燭台を盗んだりしないし、少年時代ばっかりだし、ということで、期待したのと違っていた記憶が。
その期待したのと違っていたというのが、なんかつまんない印象として残っていたとしかいいようがないな。

ラストは確かに悲劇なんですが、それでも、いろいろなものを優しく楽しく書いているし、やっぱり美しいなぁと感じながら、しあわせな感じでいっぱいになりました。
「デミアン」までは、やっぱり、ヘルマン・ヘッセって、作者自身が思っていたり、読者に思わせたいと感じていたほど屈折していないようです。屈託がない気がします。あの「デミアン」の屈折したところも好きなんですけどね。
「デミアン」の感想でもキット書くと思いますが、「デミアン」書く時には、幼い頃から2つの世界があるのがわかっていたみたいなこと書いているけど、キミ、以前の作品にそんなこと書いてなかったよねというところも、好きです(笑)

このころのヘッセって、けっこう年寄りが好きで知ったかぶりな感じで書いているけれど、まあ、鋭いけれど見通し甘いところがあって、やっぱり、自分の理想を投影していたりと老いを書いていても若さを感じてしまう。

紡木 たくのマンガが、ほんのちょっと未来からなのに、ものすごく「追憶」の物語であるのと同じように、追憶がものすごく今のとなりある感じがいいなぁと思います。

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アベンジャーズ エンドレス・ウォータイム

古いアベンジャーズのリメイク作品かと思っていたのですが、けっこう新しい時代の設定に沿った話でした。
それで、出ているのが、キャプテン・アメリカとかウルヴァリンとかいうのは、いったいどういうことだとは思いますが。
そのせいで、古き良き時代のリメイクって思ったんですねぇ。

その同じヒーローがずっと活躍し続けているところが魅力でもあるし、足かせでもあるなぁと思います。

グラフィクノベルとコミックスの違いは、イマイチわからない。「マーベラス」ぐらいまでやり過ぎ感があるといいのになぁと思います。

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三体2 黒暗森林 下

ジェットコースターのように、お話が二転三転している下巻でした。
すげー。

最後はもちろん、蟻で終わるとは思っていたのですが、まさか、そのシーンでおこることが、こんなことだとは思いませんでした。
そして、第一部のあのキャラクターまで、最後の最後に出てくるとは。

車に乗るたびに、アレクサに読んでもらっていたて、てこねぇさんも飛ばし飛ばしで聞いたりしていたのですが、それでも、けっこうおもしろかったみたいです。
この部分もおもしろいし、全体でもおもしろいというのは、なかなか圧倒的だったなぁと。

わたしがおまえを滅ぼすとして、それがおまえとなんの関係がある?

とか、名言も多かった。

第1部は奥に謎があっておさえられていてなかなか、文学的な感じでした。
それが、第2部でいっきにエンターテイメントになった感じです。
なんだろう、映画の「エイリアン」見てから「エイリアン2」を見たようなスピード感があります。
もう1こ思い浮かべたのは、筒井康隆の「家族八景」と「七瀬ふたたび」。これも、1部は文学的で、2部はものすごくエンタメによっていて、どっちも傑作です。

うーん、「三体3」は、三体世界と人類の猜疑連鎖をさらにかくのか、それとも、さらに広い宇宙に広がっていくのか、すごい楽しみな感じです。

劉 慈欣,
大森 望,立原 透耶,上原 かおり,泊 功
早川書房
発売日 : 2020-06-18

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ゴールド-黄金-

不思議な文庫本で、第一部は短編小説、第二部、第三部はエッセイ集。
ハヤカワ文庫のアシモフだから、大丈夫だろうと買わずに少しほっておいたら、なんか、あっという間に絶版になっていて、ビックリした。多分、この次に出たアシモフの初期短編集が出た頃には絶版になってゐのでは。創元文庫のアシモフも、結構、絶版になったしなぁ。「聖者の行進」とかは、もう読めないのでは。けっこう、あわててこの本は、古本屋さんでかったような記憶があります。

オールタムで廃れない作家だと思い込んでいましたが、死んじゃった後は、やっぱりちょっとさびしい感じになりましたね。ロボットものの長編なんかは、新版がでてますけど、自伝とかもいっこうに文庫になりません。
アシモフって、なに読んでもオールタイムにおもしろい作家だと思うのですが。
ときどき、無性に読みたくなるのです。全集が出て欲しい作家さんです。

まあ、絶版については、昔よりも早く本がなくなると感じているのですが、実は、そんなことはないのかもとも思っています。
子ども時代の方が、時間の流れがゆっくりなので、ずっと同じ本が書店の本棚にあったような気になっているだけで、実は、同じぐらいの流れなのかもしれません。

めちゃくちゃおもしろいというわけではないけれど、安定してクスッとしたり他では得られない安心感があります。

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三体2 黒暗森林 上

「三体」は、何が起こっているのか、その背景にある謎はなにかを解き明かしていく物語でした。
めっちゃ、大きな目を奪われる仕掛けがあって、その仕掛けの意味を探っていく感じ、そこにさらに、リアルな中国の近代史が載っかっていて、まさにジェットコースターの様です。

で、1部でのほとんどの謎が解けた第2部。
明確にされた「敵」。あまりにも強大すぎる敵に、真っ正面から人類が戦いを挑みます。雰囲気も、一転。今度は、頭脳戦。

敵は、智子によって人類の全ての会話、情報を読み取っている。それに対抗できるのは、個人の心の中のにある「作戦」のみ。
今まで、人類が力をあわせて、叡智を結集してみたいな話は聞いたことがあるし、まあ、それでも、人間の知恵ではかなわなくて偶然が…みたいなオチになりがちでしたが。
個人対超絶宇宙人!!
この発想が凄い。そんなん、勝てるの?

選ばれたのは、3人の面壁者。彼らだけが、この戦いに勝つ希望。
この3人の仕事は、詐欺師。人類全てすら欺して、敵も欺すという。

途中、「銀河英雄伝説」とか、「ファウンデーション」とかへの言及もあって、なんか、マニア的にも(というほどデーブでなく程よい)、満足な1冊でした。

さて、人類は、この戦いにどうやって勝つのか?
三部作の真ん中ということで、このお話では決着つかない感じかな。

まあでも、良い感じで史強とか、未来に送ってるしと期待しています。

劉 慈欣,
大森 望,立原 透耶,上原 かおり,泊 功
早川書房
発売日 : 2020-06-18