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きみのカケラ9

とうとう完結。
最後まで読めて、よかったです。

思春期の子どもの心身の成長が、これほど見事に、丁寧にかかれているマンガって見たことないです。そして、なにかを一方的に悪者にするのではなく、それぞれの立場もかききったかなぁ。

最後の選択。
もう、どっちも選べないところまで追い詰めて、そしてあのアクロバット。
実は、わたしのなかでは、納得のいくものではなかったりもしたのですが、物語として、ものすごい綱渡りをして、コレしかないという方法で渡りきった感じがします。

「ピノキオ」の物語であり、「青い鳥」り物語であり、「よたかの星」の物語であり、その全てを兼ね備えた、まったく別の物語でもあり。
そうやって、物語は、語り継がれていくんだなぁと。

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きみのカケラ8

リアルタイムで、体が成長していく子どもたちをかけるマンガ家っていうのは、けっこう限られていると思います。

高橋 しんは、その希有な一人ですね。

あと1巻。
どんなラストでも、目をそらさずに。

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きみのカケラ7

大人も子どもも、いっぱいのつらさを抱えて。
であって、わかれて、またであいます。

どこかにある楽園を目指すのではなくて、今、ここで生きていくために。

がんばれ。

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花と奥たん1

えーと、「最終兵器彼女」みたいな世界で展開する、帰ってこない夫を待つ奥たんのお話……。

「最終兵器彼女」みたいな世界……というのは、正確ではないか。あの世界は、戦争があって……ですが、このお話では、謎の植物の大発生(?)のために、東京が壊滅状態みたいになっている様です。

もうすぐ、世界の終わりが来る……。

そんな雰囲気のなか、奥たんフィルターで見る世界というところが、ちせフィルターでみる世界だった「最終兵器彼女」と似ていると感じたのかも。

今回の作品の大きなテーマの1つは、「食事」みたいです。
わたしみたいに、雑食の人間にはわからない、こだわりとうんちくが、ぎっしりとはいっています。

無邪気さと、お米を食べるときとかのエッチさと、生きていく必死さ。
本当に、高橋 しんは、計算し尽くしてかいています。それは、ほめ言葉には聞こえないかもしれないけれど、今のこの特別にカラーで単行本をだしてもらえる地位とか、いろいろなものを、実力で勝ち取ってきた人なのだと思います。

次は、「きみのカケラ」が読みたいなぁ。

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トムソーヤ

坂道ばかりの街を、汗を飛び散らせながら駆け回った。
これは、彼女の「少年時代の最後の夏」の物語。

と書いて、手が止まった。

高橋 しんがかきあげた、あざといまでにキラキラしているこの物語が、名作でないわけがない。
けど、登場人物が深く書かれない部分に、どこか行き当たりばったりのストーリーに、不満がないわけではない。
どう受け止めていいのか、迷っているのかも。
でも、それはこの物語が若いスタッフたちの(?)共同作業で作られているからなのだと思います。
多分、高橋 しんが、一人でつくりあげたなら、もっと計算され尽くした物語になったはず。

でも、それでも、いいのかもしれないという気がしています。
主人公が、少年ではなく、くわえタバコの大人の女性であるという、ささやかな悪意(?)だけに、なんとなく高橋 しんの存在を感じたりするのですが。
だって、多分、行き当たりばったりだったんです。自分のこと以外は、それほど深く考えてたわけではなかったんです。
でも、大切な物のことは、わかっている気がしていた。

少女マンガだったとは、あとがきを読むまで気づかなかった。
メロディという雑誌は、ふところが深いなと思います。

あぁ、なんだかとっても、とりとめもなく。