荒俣宏一覧

読みやすい。けど…

アレクサンダー戦記1 魔王誕生

スピーディな展開で、とっても読みやすいのですが、その分、荒俣宏らしさがないような気がします。

わたしは、「帝都物語」のようなアヤシイ知識の博覧会のような雰囲気が好きです。

ニオイとしては、そういう部分は、けっこう残っているのですが。


スピーディな展開と…

アレクサンダー戦記2 覇王狂乱

スピーディな展開で、とてもおもしろいです。
ただ、ビックリ知識の展覧会するには、薄いんだよなぁ~。
けっこう、2つは矛盾するものなので、難しいか。

でも、1巻に比べると、アリストテレスとか、プラトンが、あやしくていい感じです。
あくまで、主眼はそこにはないのだけども。


アレキじゃなくて、アレクなのね

アレクサンダー戦記3 神王転生

今まで、「アレキサンダー戦記」だと思っていました。正確には、「アレクサンダー戦記」でした。

テトラクテュスの印の説明を聞いて、「これよこれ。こういうのを読みたかったのよ」というわたしは、ちょっと間違っていますか?

最後に、ユークリッドが出てきたのも、けっこうツボでした。

って、アレクサンダー以外のところで、気に入っています。


技術者集団…

陰陽師 安倍晴明の末裔たち

荒俣宏といえば、「帝都物語」。
「帝都物語」といえば、「陰陽師」。

だと思っていたので、この本が「帝都物語」のあとに書かれたというのは、けっこう意外です。

荒俣宏は、博物学者をめざしていて、ものすごい知識を持っているというのが、わたしのイメージ。
だから、この本で書いたようなことは、もうとっくに知っているのだとばかり思っていました。

だいたいこの本、おもしろいんだけど、いつもの不思議な荒俣節が見られなくて、とってもおとなしい真面目な本になっています。
これは、荒俣ファンではなくて、新書の読者のために書かれた本ということなんでしょうか?

てな、作者への興味はおいておくとして(笑)

「陰陽師」というのは、本当におもしろい集団だなぁと思います。
僧侶であるとか、山伏であるとかは、信仰の結果として、超能力を得るわけですが、陰陽師の場合は、そういう中心になる信仰がないんですね。
そして、信仰がない故に、いろいろなものの技術だけを抜き出していく。
潔斎するのも、神に仕えるからではなくて、そうすると術の能力があがるからという身も蓋もないところがあります。

そういう魔術というのは、かなり珍しいのではないかと思ってしまいます。


加藤転生

帝都物語異録

この本に書かれていた新しい「帝都物語」を見ていない……多分、出版されていない……というのが気になりますが、相変わらずおもしろいです。

「帝都物語異録」では、加藤の不死の秘密が語られます。
けっこう、あっけないというか、軽い気が……。
しかし、あの人物の魅力は、そのものすごい怨念みたいなのと、人間的なところのギャップにあると思うので、それもありかと。


読むべきファンタジーは、いっぱいあるな

別世界通信

荒俣さんが、楽しそうにファンタジーを語っています。こういうの書かすと、本当にうれしそうだな。
今みたいに、ファンタジーが知られている時代ではなかったので、よけいに、力がはいっているのかもしれません。

新井 素子、江戸川 乱歩、荒俣 宏と、好きな物語のことを語らせたら、いつまでも、語っていそうな感じです。

わたしは、「ウロボロス」もまだ読んでない。
読むべきファンタジーは、いっぱいあります。


支配者の孤独

始皇帝暗殺 小説

けっこう、ノベライズの荒俣 宏は、おさえて書く傾向があるなぁ。画面をなぞっていくのに専念するみたいな。

民族的な違いがあるせいかもしれませんが、イマイチ、登場人物たちの動きがよくわからない。とくに、なんでこんなにモタモタしているかが……。

特によくわからないのは、ヒロインの趙姫。
結局、なにがしたかったのか、なにをさせたかったのか……。だれのことを思っていたのか。

まあわかったのは、「アルカサル-王城-」と同じく、支配者は孤独だということですね。


加藤、再び

新帝都物語 上 維新国生み篇

「新」とかついていますが、舞台は過去です。

明治維新の時代の魔人加藤。えっ、そんなんあり~。でも、ありですよ。

メインのストーリー自体は、帝都物語の焼き直しっぽいところも多いのです。加藤、あいかわらず女に弱いです。
が、この小説は、ストーリーだけが読みどころではないのです。ウンチクがメインなのです。多分。
それが、やっぱり、面白い。

今回は、国生み神話における定規とコンパスをめぐる冒険です。
こういうネタをしゃべらせたら、荒俣 宏、本当に、天下一品です。

荒俣 宏
角川書店,角川グループパブリッシング
発売日:2009-08-25
 


いつかまた、魔人よ蘇れ!

新帝都物語 下 維新国生み篇

なんか、荒俣 宏の小説も、どんどん派手になっていて好きです。

相変わらず歴史上の有名人から総袋だたきにあう加藤。実は、かわいそうな人なのではないかと思ったりもします。そして、明治になってすぐに復活。いそがしすぎる人だ。そこが、なんとも滑稽でおもしろかっりする。

加藤という存在そのものは、たがみ よしひさが、「滅日」でかこうとしていたものと同じなのではないかと感じました。人のフラストレーションがたまると、彼が暴れて倒されることで、それが解消されるみたいな。

……やっぱり、かわいそうな存在なのかも。まるで、生け贄になる聖者のようですらある。

荒俣 宏
角川書店,角川グループパブリッシング
発売日:2009-08-25