終わりのないラブソング2
なんで、全然、別の人間同士に、わかり合えたと思えるような瞬間が訪れたりするのか。
これは、なかなか切ない。
そして、流されているところですら、そういうもんだよねと共感できたりします。
彼の人の真実の愛の物語。そして、おそらくわたしが読む、栗本 薫による最後のグイン・サーガ。
わたしにとっては、イヤなヤツ代表の彼の人でしたが、こういう裏があるのなら、許せるかなぁと。というか、被害者にしか見えなかったりします。
まあ、人間関係の基本は共依存かもしれない。
これから書かれていく「グイン・サーガ」は、このことを本編で出す必要はないけれど、それでも、この物語が裏にあるということは前提にして欲しいです。
そしてマルガの話は書かれないにしろ、いつかは、ローデス・サーガの続きは書かれてもいいなぁと思います。
みずうみ
マルガ・サーガ(2)
(天狼プロダンション)
栗本 薫
なぜ、レダが特別だったのかが語られる3巻目。完結編です。
今までは、ずっとレダを救済する話だったのですが、ここで一気にお話が広がっていきます。
凄い。
無垢なレダのままでいたいけれど、それでは決して救われない。そう気づいた作者は、レダではなくて、イヴの成長に全てを持っていきます。
自分自身がレダではなくて、イヴになろう。特別な存在であろうと。
この読んでいる感じって、昔読んだ栗本 薫の「Run with the wolf」 と似ている気がします。
どっちも、変わっていくことへの苦しみと憧れ、そして、力強さを書いていて、あぁ、この人の書いていく話は、ずっとこうだったんだなぁと改めて気がついた感じがします。
早川書房
発売日 : 1988-08
|
「普通」でありながら、「特別」と呼ばれたいと。
栗本 薫の心が叫んでいる。
多分、自分を1番投影しているのは、主人公のイブではなくて、レダなんだろうなぁと、読みながら思った。
非凡な才能を持ちながら、それでも、自分自身をこんなにも信じ切れない。だからこそ、イブや、アウラ、さらにはファーイースト30という、あらゆる角度から「レダ」を特別だと言い続けてくれる存在を「レダ」の外側に作り続けずにはいられない。
そんな感じがした。
早川書房
発売日 : 1988-07
|