漫画版ひとりずもう 下
そして、自分の中にエッセイの才能を見つけて……。
エッセイストではなく、エッセイマンガ家になるという。
この話の凄いところは、時間の流れがちゃんとあることですね。そして、その成長が、ちゃんと絵でも表されています。
さくら ももこの自伝的マンガ(?)「ちびまる子ちゃん」の続編的な物語です。
でも、お話のトーンはちょっと違います。
「ひとりずもう」というコメディっぽいタイトルから、「ちびまる子ちゃん」的なコメディを思い浮かべていたのですが、これって、思春期のモヤモヤみたいなのがテーマになっています。
少女マンガっぽい。というか、ちょっと大島 弓子っぽい。
多分、絵柄は違うけど、さくら ももこが目指していた少女マンガって、こういう感じだったのではないかなぁと思ったりします。
そして、タイトルは、たしかな「ひとりずもう」で、ピッタリなタイトルなのです。すごい言語感覚だと思います。
小学5年生から高校まで。この時期って、そうだよなぁと思わせるエピソード満載です。
地味な青春だったと思える人ほど、共感できるのではないかなぁ。
最終巻。
特別、終わりという感じはなかったですが、
「来年もいい年でありますように」
ということで、「4コマ ちびまる子」、完結です。
4コマは、「ちびまる子」ちゃんとは違って、舞台が現代になっていて、そこが不満なところでもあったのですが、時事ネタを取り入れられるのは、よいよなぁと思っていました。そして、そのわりには、時事ネタ少なかったけど……。
こっちになって、批判する人も多かったみたいですが、わたしは、読みながらクスクスクスクス笑っていました。
これぐらい、脱力して読める物語というのも大事。
「じゃあ何者!」
「呑気者だ」
終わらない、日常。
そんな平和がずっと続いていくことが、本当のしあわせなのかもしれません。
最近、そう思うようになってきた。