大家はつらいよ
フリードマン・フリーゼのデビュー作のリメイク、「大家はつらいよ」の日本語版です。
テキストいっぱいのゲームなので、日本語版は、うれしいですね。
おもいっきり、人を攻撃することができるゲームで、人を選ぶというか、フリーゼらしい尖ったゲームです。
購入後、外のゲーム会に行くこともできず、今までは、でこねぇさんと2人で遊ぶことしかできませんでした。
まぁ、ルール確認です。
でも、これは、3人以上で遊びたいよねぇということで、今回、和邇乃児さんにおつきあいいただきました。
えーと、以前、この3人で「フリーデマテンテン」というゲームをしていて、これも、大概、ひどい(ほめ言葉)ゲームです。テイストはそれと似た感じです。
フリーゼマテンテンは、わたしはけっこう好きで、がんばって日本語化もしたので遊びたいのですが、なぜか、2度と遊んでもらえていないゲームです(笑)
多分、拡張の「SET2」が日本に入ってきて、日本語化したら遊んでもらえると思うのですが、その後、「SET2」が入ってくる様子はありません。
でも、ひどい、ひどいといいながら、ちゃんとゲームになっているところが、フリーゼのゲームのすごいところだと思います。ほんとに。
自分のアパートを作って、店子を住まわせて、お金を儲けていくゲームです。
こうやって聞くと、けっこうオーソドックス。
で、プレーヤーは、自分の手番に手札からカードをだして、アパートを建てたり、店子をアパートに住ませたり、アクションカードをプレイして、人のアパートを爆破(笑)したりします。
このカードの使い方が、ものすごいフリーダムです。
カードは、裏向きに置けばアパートの1フロアーになります。
屋根代を払って、屋根をもらって、その下に1階建てから5階建てまでのアパートを作ります。アパートを建てれば建てるほど、屋根代は高くなっていきます。
じゃあ、できるだけ5階建ての高いアパートを作ればいいかというと、そうでもない。割と、高いアパートには住みたくない店子も多いのです。
1回の手番で、カードを好きなだけ使って、好きなだけ好きな様なアパートを作ることができます。
もう、手札全部、アパートにしたってOKなんです。
なんて、フリーダム。
カードの表面は、大きく分けて、店子のカードとアクションカードと屋根や地下室を拡張する建物カードの3種類があります。
これが、プレーヤーに規定枚数、まったくランダムに配られているのです。
「あー、店子カードが1枚もない……」
てなことも起こります。店子がいないアパートばったり建てて、どうしろというのだ!!
なんて、フリーダム。
アクションだって、1ターンに1回なんてケチなことは言いません。自分のターンなら、好きなだけプレイして、好きなだけアクションすることができます。
おいしい店子を人のアパートから自分のアパートに「引っ越し」させるたり、邪魔な店子を「暗殺」したり、アパートを「爆破」したり。
なんて、フリーダム。
まぁ、フリーダムには、義務と責任がつきまとうのです。
犯罪をおかせば、もちろん、刑務所にいかなければならなくなることもあるでしょう。
大家さんが、刑務所にいるあいだは、店子は、一切、お金を払いません。
でも大丈夫です。アリバイさえがあれば、かわりにとなりのプレーヤーが刑務所に行ってくれます(爆)
そうすれば、次のそのプレーヤーのターンに、5金の保釈金を払うのはそのプレーヤーです。無茶苦茶や(笑)
基本の仕事はアパート経営です。
1回の手番で、カードを好きなだけ使って、店子をアパートに入れることができます。
まぁ、店子もけっこう難物揃いで、1階にしか住まないとか、3階以下の建値のにしか住まないとか、家族が多いから2フロアー貸してとか、いろいろわがままを言うわけです。
貴族なんて、1階建てにしか住まないけれど、2フロアー貸してとか、メチャクチャいいます。
が、条件にあいさえすれば、好きなだけアパートに放り込むことができます。
しかも、自分のアパートだけでなくて、人のアパートにまで、放り込めます。1金も払わない「いそうろう」や、「不法占拠者」のような行儀の悪い下宿人は、どんどん、子とのアパートの空き部屋に掘り込んでしまいましょう。
なんて、フリーダム。
このアパートの建設、アクションカードのプレイ、店子の入居を好きな順番に、好きなだけすることができます。
なんて、フリーダム。
自分のターンの終わりに、店子は、それぞれ決まった家賃を払ってくれます。店子が住んでいない部屋からも、なぜか1金もらえます。でも「不法占拠者」がいるようなアパートからは、収入がありません。
そして、今稼いだお金を使って、カードを買い足していきます。
お金のある限り好きなだけカードを購入することがてぎます。
なんて、フリーダム。
山札のカードは、こうやって買われて使用されていくばかりなので、いつかつきます。このカードがつきたら、ゲーム終了です。
それぞれ1回ずつ最終手番をして、1番お金をもっているプレーヤーが勝利します。
そうです、結局、世の中、お金なのです(笑)
実際のプレーでは、わたしのところには、今回、「ひっこし」が集中していました。
で、人のところから、住人を引っ張ってきてということが多かったです。
カードのうちの何割かは、アパートとして裏向けに並べられて、効果を発揮しません。
もちろん、プレーヤーの性格にもよると思いますが、攻撃系(犯罪系)のカードは、けっこう、リスクも高いので、アパートにされちゃうことが多い気がします。
でも、だからこそ、クリティカルにあたったときは、かなり痛い。
対策カードを持っておこうということになります。
このリスクとリターンのバランスがなかなか素晴らしくて、コレ、けっこう、まともなゲームだと思います。
ハッカーしか住んでいないハッカーアパートを作ってみたり、
「『母子家庭』、悪いけど、いい店子が入るので、ちょっと退いて」
とか、
「『変わり者』の住んでいるマンションには、『不法侵入者』も入居できませんって、どんなけ、かわり者やねん!!」
とか、いろいろ、フレーバーを楽しむ部分も多いのですし、
「あぁ、さっきから、1枚も店子を引いてこない~~」
という悲鳴があがって、カードの引きの部分も大きいのですが、なかなか、楽しいゲームです。
多分、カードの中身がわかって、2回目からは、もっと面白いのではと思います。
わたしは、計算違いで「科学者」が作り出した「怪物」(けっこう良質な店子です)を入れる自分のアパートがなくて、泣く泣く人のアパートに斡旋したり、最後のターンに、『貴族』に『居留守』を使われたりして、2位でした。
|
フリードマン・フリーゼ,Friedemann Friese
アークライト
発売日 : 2014-04-05
|