シュマリ2 手塚治虫文庫全集
それなりには、おもしろいと思うのだけれど、主人公のシュマリ自身が、なんとなく訳のわからないキャラクターになっているなぁと。
手塚 治虫の「あとがき」を読むと、なんでそうなっちゃったのかが少し見えてくる。
たとえ、好意的にかくとしても、その歴史を背負った人たちから見れば、違っていたり、違うように見て欲しかったりする。
現実にあるものをかくのは、難しいものです。
でも、その分か、自分の好きに生き生きとかいた、大財一族の人たちは、本当に生き生きしています。
それなりには、おもしろいと思うのだけれど、主人公のシュマリ自身が、なんとなく訳のわからないキャラクターになっているなぁと。
手塚 治虫の「あとがき」を読むと、なんでそうなっちゃったのかが少し見えてくる。
たとえ、好意的にかくとしても、その歴史を背負った人たちから見れば、違っていたり、違うように見て欲しかったりする。
現実にあるものをかくのは、難しいものです。
でも、その分か、自分の好きに生き生きとかいた、大財一族の人たちは、本当に生き生きしています。
うーん、人情話が続いていく方が、どっちかというと好みかも。
しかし、龍の妖怪は、ちゃんと手も龍の手になるけど、蛇の妖怪は、手が顔になっている……。蛇、腕ないもんなぁ……。
人情話から、因縁話にシフトしていくのでしょうか?
古川 日出男、2冊目。いや、「砂の王」1巻目からかぞえて、3冊目か。次は、いよいよ「アラビアの夜の種族」で、これは、「砂の王」を含んだお話だそうです。
期待がふくらみます。
偽の歴史。
古川 日出男、嘘を語らせたら天下一品です。
今回は、その嘘の語り方の秘密を垣間見競るようなお話でした。そして、多分、それも嘘。彼自身は、そんな方法で物語を生み出しているわけではない……ような気がする。
音楽と悪の戦いの記録。でもそれは、あまりにも絶望的な戦い。
竜を追うものは、いずれ自分も竜になる運命をもつ。
スリリングでした。
「沈黙」が壮大な大嘘だったのに対して、こっちは、テーマ的には、個人の再生みたいな小さなテーマです。
でも、その再生の仕方が、ものすごく気持ちよくって、こっちの方が好みかも。まあ、「沈黙」は、けっこう救いのない話だったので。
おもしろさでは「沈黙」なんだけれど。
でも、なんでそれが救いになるかのは、実は、わたしには、よく理解できていないんですけどね。
しかし、文学で文字の否定をするところが、この人らしいどんでん返しです。
そして、女の子が、物語がはじまった時と、別人に成長しているのですが、その変化に無理がないところが、凄い。
個人的には、「ミツバチのささやき」が、作中に流れていたのも、ツボなのです。あれ、不思議な映画ですよねぇ。兄貴とわたしで、まったく読み取ったストーリーが違っていました。
クリスティーのウェストマコット名義の愛の小説第2弾。
ということで、今回、謎解きはなしです。
前回の「愛の旋律」は、派手派手な展開でしたが、今回は、主人公が地味な性格なので、展開もちょっと地味な感じです。もうちょっと、派手な展開の方が、わたし的には好みです。
でも、これも主人公の子ども時代から丁寧に書いています。なんで、こういう人に育ったのかが、よくわかる感じ。
母親がなくなって、夫に裏切られて、精神をだんだん病んでいくという展開は、まさに、クリスティーの半生そのものですな。
まあ、クリスティーがこの小説の主人公ほど弱かったとは思えないけれど。でも、人にはいろいろな面があって、そのうちの1つをクローズアップしてみていく感じ。
そのクローズアップの仕方というのは、とても巧いです。だから、シーリアにも共感できる部分はあるし、ダーモットにも共感できる部分がある。
語り手の画家は、その両方を理解できる読者的な位置にいて、これも、なかなか巧みだなぁと感じました。
グラニーが、衰えていくところとか、こわいぐらいにリアルです。そういう細かいリアルさと、ロマンチックな飛躍が、クリスティーの小説、ミステリーなしでも読める魅力です。
というか、もともと、ミステリーをそんなに読めないわたしでも、楽しめるところです。
最後は、まあまあなノリかな。
だんだん、モモがかわいくなってきたというのがポイントかも。しかし、主人公ミリとヒカルのことは、まったく一切、どうでもよかったという……。
しかし、ヒデキは、いつの間にそんなに明確に「恋人」だったんだろうか?
そして、10年後。それも、もう今は過ぎさった時間。
その辺の不思議な感じは、よかったですねぇ。